上野駅から急いで駆けつけた東京駅。
まだお目当ての列車の到着はまだだった。が、間髪いれずに、構内放送が流れた。
「臨時特急 踊り子51号伊豆急下田行きがまいります」
まだ写真でさえ見たことがなかったが、
183系電車でも185系電車でもなく、客車で運転されることを
うわさで聞いていたので本当に楽しみにしていたのだった。
そして見てみると牽引しているのは僕のFavorite LOCO、EF58だ！
大喜びしながら写真を撮影した。
14系客車の編成自体は特にめずらしくはないものだったが、
丸いヘッドマークをつけたEF58の姿はまぶしく輝いていた。
81系客車を連結した特急踊り子51号を見送った後、東京駅からふたたび山手線に乗り、
品川回りでぐるっと新宿を目指すことにした。
東京タワーを見て「やっぱり高いわぁ」と感動したのもつかの間。
やはり僕たちのターゲットは一般人の目指すそれではないのだ。
新宿といえば、やはり特急あずさ だ。
東京乗り入れが始まったのはもっと後のこと。
当時は東京や千葉で特急あずさを見られることはなかったのだ。
だが新宿駅のあずさホームに実際に行ってみると、「特急ホームには入れません」
と、入場拒否されてしまった。
以前、天王寺駅で特急くろしおを撮ろうとした日の再現。
「やっぱり若い女性（先生）が一緒でないと子どもには厳しいのか！」
そんな事を考えてしまう出来事がまたここで・・・。
そしてこの「あずさが遠い！事件」が2年後の僕の問題行動を引き起こす！
さて、僕たちは仕方なくあきらめて小田急百貨店に行き、
そこでちょうど開催中だった「鉄道展」を見ることにした。
そこには当時珍しかったトレインシュミレーターがあって長蛇の列。
今でこそ、電車でGO!などで運転手気分を味わえるが（もう古い?）
当時はほんとうに画期的で、画面を釘付け状態で見つめた。
その日のあとの予定は、東京発ブルートレインの16時台に照準を合わせ、
計画を立てていたのだが、それまでの時間はやや持て余していた。
それで、池袋のサンシャイン60展望台に昇ってみることにした。
当時、ビルとしては日本一。60階建て240メートルは確かに高かった。
そして、一気に昇るエレベーターは60階まで凄まじい速さで、35秒。
もちろん途中には止まらず、僕達は3人とも耳がつーんとなってしまった。
でも上から見下ろすとすごかった。
あっちにもこっちにも鉄道模型が走っているように見える。
街全体がミニチュアのようだった。
もっとも、まだ新宿が「副都心」なんて言われていた“ちょっと昔”。
21世紀の東京の景色とは少し違っていると思う。
そうして時間を過ごし、適度に（人並みではないが）東京見物をして、
ふたたび列車の「追っかけ」に戻った。時刻は3時30分過ぎ。
まずは東京駅のブルートレインの準備作業に向かわなければ！
