急行・・・。
21世紀の今ではこの言葉に該当する列車がほとんど消えてしまった。
まさに絶滅危惧種別。
でもあの1986年の夏はずいぶん異なり、大阪駅にも急行が次々出入りしていた。
山陰・中国系の急行、みささ、みまさか、丹波、だいせん。
北陸へは21世紀に入っても長く活躍した急行きたぐに。
他にも銀河、比叡、ちくま、たかやま・・・・
北陸系の急行がかなり「特急雷鳥」へと格上げされて姿を消していたものの、
まだまだ多くの急行が走っていて、臨時列車も含めると凄まじかった。
その中から、僕がこの度の鉄道旅行のターゲットにしたのが夜行急行だいせん。
この年の夏はまだ20系で編成されていて、そこには座席車も含まれていた。
また、1号から4号は昼行、5,6号は夜行というその頃ならではの構成でもあった。
今も心に残る、「急行」による鉄道旅行。
楽しい旅が始まろうとしている、1986年の夏。
この夏の旅行計画は、去年引っ越した親友が住む隠岐の島、西郷町。
急行だいせん5,6号による往復だが、指定席をどうしてもとりたかった。
なぜなら、今回からデビューする「輪行」のため。
輪行とは、自転車(ロードレーサーなど)を分解して輪行袋に入れて乗せる旅行だ。
自由席はデッキまで人で溢れることがあるが、指定席なら乗客数が限られていて
自転車を置けるくらいのスペースを確実に確保できるからだ。
(続く)
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