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特急くろしお号の簡単な解説
★ 京都・新大阪~和歌山・海南・紀伊田辺・白浜・新宮 間の特急として現在も運転されている特急くろしお号。283系・287系・289系を使用する。
2023年春には新大阪から阪和線へと直通するルートとして旧・梅田貨物駅跡地にできる通称:うめきた新駅が開業する。これまで紀州路快速などが担ってきた大阪~和歌山間の所要時間が特急くろしおが利用できることにより1時間30分から57分に短縮される。
現在主力として活躍する287系は無機質なエクステリアに好みが分かれるが、その中で異彩を放つ存在がパンダくろしお。人気のデザインとしてすっかり定着している。
※画像提供:KOGANETURBO様
パンダくろしお運転時刻
また、くろしお1号、4号、25号、26号が毎日パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』として固定で運用される。
【1号】新大阪7:35・・天王寺7:59・・和歌山8:46・・白浜10:10・・新宮11:58
【25号】新大阪18:45・・天王寺19:05・・和歌山19:53
【4号】和歌山6:00・・天王寺6:56・・新大阪7:20
【26号】新宮13:29・・白浜15:14・・和歌山16:48・・天王寺17:33・・新大阪17:50
※ そのほかにも充当される。
【JR西日本サイトより】パンダくろしおペーパークラフト(Free)
新サービス「くろしおサイクル」
2022年10月1日から始まった新サービス「くろしおサイクル」は、追加料金なしで自転車をそのまま持ち込める「サイクルトレイン」。サービス区間は白浜~新宮間に限り、乗り降りできるのは白浜、串本、紀伊勝浦、新宮の4駅のみだ。
自転車を分解するのではなく、専用カバーをつけることで特急「くろしお」にそのまま持ち込める。6号車(または1号車のこともあり)が専用車両となって、1人で横並びの4席を利用できる。
◆特急くろしお号データファイル
【登場時:1965年3月1日】
●運転区間:天王寺~名古屋 運転本数:1往復 使用車両: キハ80系
【1967年10月1日改正】天王寺~白浜、天王寺~新宮で各1往復増⇒3往復に。
【1968年10月1日改正】定期1往復、季節1.5往復増発。合計5.5往復(季節含む)に。★内訳:名古屋~天王寺(1往復)、天王寺⇒白浜(定1・季2)、天王寺⇒新宮(定2)、白浜⇒天王寺(定2)、新宮⇒天王寺(定1・季1)。
【1970年10月1日改正】季節列車1本増。1往復を季節化。合計6往復(季節含む)に。★内訳:名古屋~天王寺(1往復)、天王寺⇒白浜(季2)、天王寺⇒新宮(定2・季1)、白浜⇒天王寺(定1・季1)、新宮⇒天王寺(定1・季1)、紀伊勝浦⇒天王寺(季1)。
【1972年3月15日改正】名古屋発着1往復を除き、新宮発着(定3・季1)に統一。合計5往復(季節含む)に。
【 同年10月2日改正】急行きのくに号1往復を特急格上げで1往復増(天王寺~白浜)⇒6往復(季節含む)に。
・ ボンネット型のキハ81形が登場。
【1973年10月1日改正(伊勢線開業)】亀山経由から鈴鹿経由に変更。約20分短縮。
【1976年3月1日改正】全列車に普通車自由席を設定。
【1978年10月2日改正】紀勢本線和歌山~新宮間電化完成により新宮で系統分割。
・ 名古屋~紀伊勝浦のDC特急南紀号が登場(3往復)。
・ 特急くろしお号は381系電車化され、エル特急に。
・ ●運転区間:天王寺~白浜(定1・季1)、天王寺~新宮(定6・季1)
【1980年10月1日改正】急行きのくに号の3往復を特急格上げ、天王寺~白浜とする。
・ 天王寺~白浜(定4・季1)、天王寺~新宮(定6・季1)
【1982年5月17日改正】白浜発着の1往復を季節列車化。⇒定期9往復に減。新宮発着の季節列車が白浜発着に短縮。
・ 天王寺~白浜(定3・季3)、天王寺~新宮(定6)
【1985年3月14日改正】急行きのくに号を廃止・格上げし、4往復増⇒定期13往復・季節3往復。
・ 増発列車には485系を使用開始。同時にB特急料金適用区間となる。
【1986年11月1日改正】全列車が381系電車に統一。485系は特急北近畿・特急みどりに転用。
・ 定期11往復・季節4往復に。
【1988年3月13日改正】白浜~新宮間季節運転の列車を全区間定期列車化。
【1989年3月11日改正】特急しらはま号を廃止。代わりに白浜発着の特急くろしおを1往復増。
・ さらに、季節3往復が定期化⇒定期15往復・季節1往復に。
【 同年7月22日改正】新大阪・京都への直通開始
・ 特急スーパーくろしお号を新設(4往復)。特急くろしお号は12往復(うち1往復が季節)に。
・ 付番方式を変更:天王寺・新大阪・京都⇒白浜・新宮方面へ「下り(奇数)」となる。
【1991年3月16日改正】くろしお号を1往復スーパーくろしお号に変更。
・ スーパーくろしお=5往復、くろしお号=11往復に。
【1993年】京都~白浜・新宮に臨時特急運転。夏はマリンくろしお、冬は春咲きくろしお。
【1996年3月16日改正】下3・上2、天王寺発着から京都発着に変更。
【 同年7月31日改正】283系投入。スーパーくろしお(オーシャンアロー)」として3往復設定。
・ スーパーくろしお=(381系・5往復)(283系3往復)、くろしお号=8往復に。
【 同年12月】平日運転で紀伊田辺⇒天王寺の臨時特急おはようくろしお号運行開始。
【1997年3月8日改正】スーパーくろしお(オーシャンアロー)を特急オーシャンアローとして分離。
3月:「おはようくろしお」の一部が新大阪行きに変更[35]。
【1998年:塗装変更】381系をアコモ改良。グリーン車を全列車1号車に統一。
【1999年10月2日改正】くろしお号2往復を季節化。
【2001年3月3日改正】おはようくろしお号を定期化。紀伊田辺⇒新大阪の特急くろしお号に。
【2002年3月23日改正】はんわライナーを(下1)格上げ、新大阪⇒紀伊田辺の特急くろしお号に。⇒9往復に。
【2004年10月16日改正】はんわライナーを1往復廃止。和歌山発着のスーパーくろしお号新設。
・ スーパーくろしおが6往復に。
【2007年10月1日改正】くろしお・スーパーくろしお共に女性専用指定席を12席設定。
【2009年5月頃~】パンダ車両登場。
【 同年6月1日:全車禁煙化。
【2010年3月13日改正】エル特急の種別解消。定期の全列車が新大阪・京都発着に。
・ くろしお=7往復。
【2011年3月12日改正】新宮発着9往復のうち2往復を白浜発着に短縮。
新宮発着はすべてスーパーくろしお号となる。
【 同年9月4日災害】台風12号の被害により全列車運休。順次復旧し12月3日に完全復旧。
【2012年3月17日改正】オーシャンアローを含め、愛称を特急くろしお号に統一。4往復に287系を投入。
【 同年6月1日】白浜以西の3往復に287系を追加投入。
【2013年3月16日改正】海南⇒新大阪の1本を和歌山発に変更し、283系に変更。別途、海南発(287系)を増発。
紀伊田辺・白浜発着は287系に統一。381系は新宮発着の列車のみとなる。
【2015年3月14日改正】車内販売を全面的に終了。
【 同年10月30日】381系最終運転。289系にバトンタッチ。
【2018年3月17日改正】和歌山発着を下2・上1増発⇒下3・上2に。新宮発着は1往復減⇒6往復に。京都発着は1往復減⇒1往復に。
【2017年8月5日】パンダくろしお運転開始。
【2022年3月12日】自由席を廃し、全車指定席に変更。
【2022年10月1日】「くろしおサイクル」のサービスを白浜~新宮間で開始。
【2023年3月18日】大阪駅地下ホーム(うめきた新駅)開業。(2/13から地下の新ルートの供用開始)
◆特急くろしお号の画像集
・過去には特急くろしお号はすべて天王寺駅発着だった。しかし現在では工夫を凝らして運転経路を編み出した結果というのか、新大阪へと足をのばすようになり、新幹線に接続。また、主に通勤客を対象としてか、和歌山~新大阪という設定が1往復ある。
・紀伊田辺駅での停車中だったと思うが、1980年代のある夏のひとこま。夏の時期だけに、南紀方面への海水浴客や各種リゾート目的の利用者が多いことを感じる。今さら言うまでもないが、振り子電車ならではの車体重心の低さが見た目にも感じられる。1980年代、まだこの車両が導入されて数年の時期だからか、車体にツヤがあるのがわかる。
・右上の写真は1982年の天王寺駅で。当時はこの駅で381系の幕回しのシーンを眺めていても延々と特急くろしお号のヘッドマークばかりが流れてきたのを覚えている。右も右上の写真と同じホームだが、1981年。すぐ隣りの2番線ホームにはキハ58系国鉄色の急行きのくに号が停まっているのが見える。まだまだ急行が全国的にどこでも走っていた時代、そして同じ区間を走る特急との役割分担(すみわけ)が出来ていた時代のひとこまだ。
・スーパーくろしお号。特急くろしお号との違いは外観上はパノラマグリーン車が設定されていること。(写真とは逆の先頭車で、このページの上の方に掲載)。そして、京都まで足を伸ばしていることも大きな違いのひとつだ。所要時間の点ではやや早いという程度。しかし、現在はすべて「特急くろしお号」として愛称統一されている。
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★くろしお号ヒストリー
以前の大阪側発着駅は天王寺だけしかなく、東海道・山陽新幹線方面からのアクセスに難ありの列車だった。その対策には時間がかかったが1989年に大阪環状線・梅田貨物駅を隣接する貨物線を経由するルートができた。関空特急はるか号の設定を目前にして工事が進んだともいえる。
それまでの対策としては、京都~奈良~王子~和歌山~白浜という経路(奈良線・関西本線・阪和貨物線など)で運転された臨時特急ふれ愛紀州路号、それを愛称変更した臨時特急しらはま号が数少ない例として挙げられるだろう。ただし、利用は好調だったものの所用時間の長さという観点から見て「苦肉の策」だったと言える。やはり新幹線接続が可能になってから利便性が飛躍的に向上したに違いない。新大阪・京都の両方からの乗客の需要に対応できるのは大きい。
・特急しなの号に続いて二番目に381系振り子電車を採用した特急でもある。他の派生列車として、マリンくろしお号や特急オーシャンアローがあったが、2012年3月のダイヤ改正でスーパーくろしお共々、「くろしお」に愛称統一された。
*** 画像提供:kogane-turbo様
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