急行紀州号の簡単な解説
◆ 名古屋~天王寺を紀勢本線経由で結んだ急行紀州号は準急くまの号を急行格上げするに際して愛称変更して登場した。1961年3月1日のことだ。当初はキハ55系を使用したが、その後1年のうちにキハ58系に完全に置き換えられた。1964年7月にはグリーン車キロ28を2両含む10両編成となり紀勢本線のエース的存在となったが1965年3月に特急くろしおが新規設定されてエースの座を譲った。その後、名古屋から南紀方面への急行をすべてまとめて急行紀州としたため4往復にまで膨れ上がったが、それは本来の姿とは少々異なるものという印象もあっただろう。
1978年10月には新宮以西は電化されて特急くろしおが381系で、そして名古屋方面へは紀伊勝浦発着で特急南紀が引き受けることになったためますます衰退の感が否めず、補助的な役割として残った。1985年3月、すべて特急格上げにより、その役目を完了した。