臨時急行シーハイル信越号の簡単な解説
◆ 大阪⇒直江津を結んだ臨時急行シーハイル信越号は1989年12月28日から運転された夜行の急行列車。下り列車一本だけの設定で5時間37分で結んだ。ちなみに、一歩手前の糸魚川にも停車して客扱いを行った。最終運転が1990年3月24日ということで「一冬限り」の列車だったが、なかなか面白い試みだったと思う。
というのも、この時期と言えばシュプール号シリーズが4シーズン目を迎えて大盛況になってきた時期で、大阪など関西方面から白馬方面(シュプール白馬・栂池)・黒姫・妙高方面(シュプール妙高・志賀)を中心に何本もの列車が運行されていたのだが、いずれもゆっくりと時間をかけて走る傾向が強く、大阪⇒直江津でみると8時間前後の所要時間が普通だった。つまり、急行シーハイル信越号は同じ急行ながら2時間以上も短い時間で走っていたのだ。この存在意義を考えると、例えばシュプールに乗れる時間に仕事が終わりそうもない人たちが、大阪駅0:01発のこの列車で週末のスキーを楽しむという感じだろうか。
485系の9両編成(1月2日までは6両)でグリーン車1両の編成。疲れが取れるかどうかは別として、朝からスキーを目一杯楽しみたい人にはいいかも!という設定だったと思われる。しかしながら、この1シーズンで終わりを迎えたことから明らかなように、シュプール号シリーズで十分だったということだろう。
JR西日本唯一のシーハイル。しかも急行。
「シーハイル」という名が付く列車はJR東日本にいくつかあり、最も有名なのは快速シーハイル上越号だろう。ほかにもシーハイル両毛、シーハイル湯沢中里などがあったがすべて臨時快速列車だった。ということで、シーハイル・・・はシュプールシリーズの様に確立されたジャンルではなく、結果的にいくつかの列車が名乗っていたという感じだろう。
臨時急行シーハイル信越号のサボ
485系を使用したことから、何らかの表示が先頭を飾っただろうと思うのだが、残念ながらそうした資料を見つけることができていない。一方、サボについては実物の写真を手に入れることができたので早速トレースしてみた。このサイズのサボとしては珍しい濃紺色で「通常の特急とは違う」ことを視覚的にとらえやすくしたのだろうか。
右下の隅に丸で囲まれた「向」のマークがある通り、向日町運転所の485系だった。特急雷鳥などに使用していた車両である。


