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寝台特急金星号の簡単な解説
◆名古屋~博多を結ぶ電車寝台特急として1982年11月まで運転されていた寝台特急金星。一足早く設定された寝台特急月光号にちなんで「月光型」と呼ばれた581系(さらに583系)を使用する電車寝台特急だった。
中京圏~九州という需要に加えて関東圏からチケットを取れなかった人たちの救済を新幹線乗り継ぎで可能にする列車という位置づけもあったようだ。東京を20時過ぎに出るひかり号で利用できたので、もしかすると最初からその方を好んだ利用者さえ少なくなかったかもしれない。とはいえ、山陽新幹線が博多まで達した1975年以降はさすがに勢力の衰えが如実に表れ、1982年11月で定期列車としての使命を終えた。
大阪・弁天町にあった交通科学館において583系の先頭部分が展示されていたが、そのヘッドマークには「金星」のマークが掲げられていた。しかし寝台特急金星の臨時列車化(14系座席車)とともにヘッドマークも「なは」に変更された。
臨時の夜行座席特急として14系座席車を使用した列車はその後も(おそらく1992年・夏まで)運転していたが、寝台でもなく電車特急でもないため印象が大きく異なっている。数ある夜行特急群の中にあって唯一の「名古屋発着」だったが、早々に姿を消してしまった。それと同時に間合い運用で走っていた特急しらさぎ号の583系の姿も見られなくなった。
※ 画像提供:つつみだつちお様・Amanogawa_exp様
◆特急金星号のデータファイル
【急行時代:1961年3月1日】運転区間:東京~大阪
・ 使用車両:153系
【1961年10月1日】客車化。寝台車を含む。
※ 間をあけず2代目へ。
【急行2代目:1965年10月1日】運転区間:大阪~富山(急行つるぎ号からの改称)
・ 使用車両:旧型客車。寝台車を含む
※ 間をあけず特急に転身。
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【登場時:1968年10月1日】
●運転区間:名古屋~博多 運転本数:1往復 使用車両:583系
【1970年3月】人員不足により583系電車寝台の多くで食堂車営業休止となる。
【1982年11月15日改正】臨時列車に格下げされ、583系での運転終了。以後、14系座席車使用へ。
【1992年末~1993年始】名古屋~西鹿児島間で運転実績あり。京都・大阪だけでなく岡山までもが有効時間帯となっていて、幅広い地域の需要に応えた列車だったようだ。
廃止されたのはこの時期と思われる。