寝台特急北斗星号の簡単な解説
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◆ 上野~札幌間を結ぶブルートレインとして青函トンネル開業と同時の1988年3月13日に登場した寝台特急北斗星号。東海道筋のブルートレインが大きく翳り始めたのとは対照的に、「走るホテル、再び!」というような鮮烈な印象を与える登場だった。
その一方で、「北斗星」という愛称の公募順位は意外なほど下位の108位だったという。もっとも、「北斗七星」というのが正式名称の天体をごろよく縮めた名称だからそれも仕方のないことか。その後、寝台特急カシオペアの登場などで設定本数が減り、最上級のグレードでもなくなってしまったものの、プレミアムな列車としての人気は健在だった。
さて、四半世紀以上現役で活躍してきた寝台特急だが、ついに2015年春のダイヤ改正に際し、27年ちょうどでその歴史に幕を下ろした(定期運転の最終は2015年3月13日発)。JR西日本主体のトワイライトエクスプレスとおおむね同じ歩みをしてきたと言えるだろう。
その後も北海道新幹線の試運転が本格化する前までの臨時列車として運転されてきたが、臨時運転の最終は下り8月21日上野発、上り8月22日札幌発で最後のブルートレインが姿を消してしまった。臨時列車のラストランの日程を告知するのは極めて珍しいことであり、それだけ「最後のブルートレイン」としての注目を集めた証しだといえるだろう。
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◆寝台特急北斗星号のデータファイル
【登場時:1988年3月13日(津軽海峡線開通)】 ・ ●運転区間:上野~札幌(1175.5km) 運転本数:3往復 使用車両:24系25形寝台客車・EF81/ED79/DD51牽引 ・寝台特急北斗星2号の編成・機関車 -電= B禁煙=B=Aロ&B2=A2=B1=食=B=B =B=B
【1989年1月19日】臨時特急・北斗星トマムスキー号を上野~トマムで運転開始。
【 同年3月11日改正】北斗星3・4号定期列車へ変更。
【1991年1月10日】夢空間編成を連結し、北斗星トマムスキー号を横浜~トマムに変更して運転。
【 同年3月16日】編成の方向転換を実施。電源車が青森寄りとなる。
【1994年10月~12月】夢空間編成を連結した臨時寝台特急夢空間北海道号を上野~函館・札幌・池田などで運転。
【 同年12月3日改正】3・4号を毎日運転の季節列車に変更。
【1996年1月】新宿~新得で北斗星トマムサホロ号を運転。2002年夏まで臨時で運転された。
【1997年3月22日】北斗星1・2号を完全個室編成化。
【1999年7月16日】寝台特急カシオペア運転開始。北斗星3・4号は北斗星81・82号となり臨時列車化。 多客時に運転する北斗星小樽号の運転を開始(1号の終点を延長したもの)。
【2000年3月】有珠山火山活動。一時函館~札幌間休止または山線経由のう回運転。
【2000年12月20日】函館本線(山線)経由で臨時特急北斗星ニセコスキー号を運転開始。
【2001年6月】北斗星用24系客車を使用した「北斗星まりも号」を札幌~根室(釧路以西快速列車)で運転。
【2001年9月】「夢空間北斗星ニセコ号」を上野~(山線経由)~札幌で運転。
【2002年6月】北斗星用24系客車を使用した「北斗星利尻号」を札幌~南稚内で運転。
【2002年9月】「夢空間北斗星トマムサホロ号」を上野~新得で運転。
【2006年3月】青森駅経由だったのを青森信号場経由に変更。
【2008年3月15日改正】1往復となる。(表向きは北海道新幹線工事時間帯確保のため)臨時列車設定が廃止。
【2010年12月4日改正】ブルートレイン便廃止。⇒ブルートレイン便が全廃。
【2012年3月17日:青森駅構内改良工事が終了、再び青森駅経由となる。食堂車を全面禁煙化。
【2015年3月14日改正】臨時列車化。JR北海道所属の車両は終了し、JR東日本車のみの構成となる。
【 同年8月22日】臨時列車としての下り最終列車が札幌到着。上り最終列車が札幌出発の日。
◆寝台特急北斗星号の画像集
寝台特急北斗星号は、定期列車としては最後に誕生し、それでいて華々しくデビューしたブルートレイン。それまで青森行きだった寝台特急ゆうづる号を札幌まで区間延長する形で一気に3往復も設定された。当初は3・4号は季節列車として設定されたがすぐに定期列車化。それでも需要に追いつかず、モノクラス編成の臨時寝台特急エルム号が設定された。 (新製機の塗装が艶めく。テールマークも反射している)
写真提供:K-office様 :♪An’s Railway memo☆様 (無断使用厳禁)
列車名公募においては「北海」が1位だったらしいが採用されず、この名称になった。やはり、夜行列車としてのイメージを前面に押し出したかったのだと思われる。本州内の牽引機関車については、EF81が老朽化したゆえに、貨物専用機EF510が旅客用にリメイクされた500番代が15両新製され、2010年から牽引してきた。ブルートレインカラーで13両・カシオペアカラーで2両新製され、このことが北斗星号の延命につながるだろうかと期待を持った時期もあった。しかし、新製から5年での終焉という現実を考えた時、もしかすると東日本大震災が起こったこともこの結末に影響を及ぼしたのではないかという気がする。
・北海道内ではDD51が先頭に立ち、重連で牽引する。1988年の夏、まだ原色のDD51が牽引しる姿も見られていた頃、新旧塗装の競演が見られた。このように、寝台特急色として全体の統一性あるカラーリングに変更されたDD51も北斗星号の誕生時から存在していたが、必要数そろってはいなかったということのようだ。もちろん、途中からはすべて寝台特急カラーで運転され、北海道の旅客用DD51は全機にこの変更が実施された。寝台特急らしい星マークがついていて夜汽車らしい雰囲気が演出されている。
・JR北海道所有の車両だけに見られたエンブレムはオリエント急行に倣ったものというだけあって、その豪華さを惹き立てるアイテムとして注目された。乗客の多くがこのエンブレムの前で記念撮影をする姿がいつも見られた。そして、赤いかさが印象的な食堂車のスタンド照明も北海道オリジナルのアイテムである。
◆寝台特急北斗星号とEF81
※ 写真提供:YOMPAQ様・K-office様(無断使用・転載厳禁)
・寝台特急北斗星号の27年の間にはいろいろな機関車が先頭に立った。もっとも、本州内での型式としてはEF81⇒EF510の2形式だが、そのバリエーションには興味をそそられる。星釜と呼ばれる北斗星用機関車に加え、以前スーパーエクスプレスレインボーというジョイフルトレインの専用機とされていた機関車(大きく書かれたEF81の文字が特徴的)、又運転席窓の上のひさし付の星釜、ローズピンクのEF81原色など。
◆寝台特急北斗星号お役立ちサイトご紹介
【鉄道模型製作用参考写真集】
・・・編成単位ではなく、1車両ごとのサイドビューをとらえた写真集。大きな画像データなので細部に至るまで見て確かめることができる、非常におすすめのサイト。 ●寝台特急北斗星 (夜間撮影・EF510) ●北斗星(旧東日本編成) DD51牽引 ●北斗星小樽号 DD51牽引
【トレインブックス・国鉄型車両図鑑】・・・形式写真を専門に撮っていらっしゃる方のサイトです。斜めからのアングルで、前面や台車周りを含めてみることができます。 ・ロイヤル・ソロ合造車:オロハネ24 501 ・ロイヤル・デュエット合造車:オロハネ24 551・オロハネ24 552・オロハネ24 554 ・B寝台車(開放式):オハネ25 231 ・B寝台緩急車(開放式):オハネフ25 13・オハネフ25 14・オハネフ25 215 ・B寝台緩急車(Bコンパートメント):オハネフ25 4 ・食堂車:スシ24 506 ・ロビーカー:オハ25 503
【座席探訪】・・・列車内の様子を解説してくれているわかりやすい写真集。車両のタイプごとに詳細な解説と画像が含まれているサイト。おすすめです。 ●24系北斗星 ●24系(JR北)・北斗星1・2号(2008年3月以前 ●24系(JR東)・北斗星3・4号(2008年3月以前
【トレインホステル北斗星】・・・北斗星の持つ雰囲気をよみがえらせた宿泊施設。 ●トレインホステル北斗星