鉄道旅行記

【1988年8月17日】道東の大自然をちょっと味見しに行く

釧路湿原展望台

つかの間の釧路駅

僕が乗ってきた根室本線530Dは定刻通りの13:48に釧路駅に到着した。
やっぱり、東のターミナル。釧路駅はとても大きい駅だ。

この駅からは3方向への列車が出入りしている。
たった今乗ってきた根室からの(愛称)花咲線、札幌へ向かう根室本線、そして網走方面への釧網本線だ。
正式には東釧路から釧網本線が分岐しているが、列車の発着はすべてここ釧路。
僕はここからこの釧網本線の列車に乗車しようとしている。

さて、ここで23分の余裕があるのだがいったい何をしようか?

そう思いながら乗り換え通路を歩いていると一組のカップルが輪行していた。
「へぇ~、カップルで輪行する人たちもいるのか~」と、興味がわき、
ついつい声をかけてしまった。 「どこからですか」「何年生ですか」・・・・・

今思えば、唐突で失礼な話だ。
でも結構ちゃんと答えてくれた。
「2年生です」

やっと年下の人に会ったと内心喜んだ僕だったが、話しているうちに
高校生ではなく大学生だということに気づいてしまった。
すこしタメ口で話していた自分が恥ずかしくなり、その辺で切り上げてサヨナラした。

大自然を切り裂く釧網本線

さて、僕が向かう先は釧路湿原駅。
この駅はこの夏(1988年)に営業開始したばかりの駅で、細岡展望台まで登る最寄駅として開設したものだ。
それまでの最寄駅「細岡駅」よりも2.4㎞も釧路寄りにつくられたことからも、今までどれだけ遠かったかがわかる。

列車はキハ54形。
この夏何度お世話になってきたことか。

14:11に釧路駅を出発し、つい先ほど通ったばかりの線路を東釧路駅まで行く。運転席横の全面貫通扉からの車窓を独占する、通称「かぶりつきエリア」に陣取った。
そして大きく左へ。ここからあと2駅だというのに、なかなか到着する気配がないまま、列車はゴトゴト走っていく。釧路川に沿って、近づいたり離れたりを繰り返しつつ進んでいくのが楽しい。

夏のこの時期、釧路湿原に観光で向かう人はとても多く、座ることができないほどの乗客の中、僕は輪行袋を手で押さえながら立ったまま先の線路を見つめていた。

そうして14:32、釧路湿原駅に到着した。

釧路駅からトコトコと20分ほど、やってきたのは釧路湿原駅。
この駅はこの夏に開業した新しい臨時駅だ。

進行方向に向かって右側に棒線状のホームがあるのだが、
ログハウス風の素敵な木造駅舎が迎えてくれた。
この夏、釧路湿原駅前は人で大いににぎわっていた。

普通の観光客になったひととき

僕は輪行袋を持って坂道を上ることを避けたかったので、
釧路湿原駅の裏側の目立たないところにくくり付けておいた。

細岡展望台を目指そうと少し歩き出したところ、
幾つもの熱気球が飛び立つ準備をしているのが見え、
実際に飛び立ったものもあった。

長い坂を上っていく途中、「もしかしてこれがスズラン?」と思った花を撮り、
その後10年間思い込みのまま「すずらん見たよ」と
大嘘をついてしまったというちょっとしたいわくつきの場所あり。


展望台まで登った時、そこから見える景色は素晴らしかった。
実際、この旅行で「北海道らしい風景」と感じた印象的な場所のひとつだ。
ほとんど手の加えられていない湿原の自然、釧路川の蛇行。
人工物が視界にほとんどない景色・・・。素晴らしかった。

さて、そこで見知らぬ2人の女性に「シャッターを押してもらえませんか?」
と声を掛けられ、OKしたお返しに僕もシャッターを押してもらった。
これで、今回の旅行で自分が写っている写真が2枚になった。
ちなみに1回目は宗谷岬である。

もう少しゆっくり景色を眺めて、時間を忘れてしまいたい気分だったが、
帰りの列車を逃してしまうと2時間待ちの悲劇が待っているため、
駅へと坂を駆け下りるように進んでいった。

再び鉄っちゃんに戻る。

さぁ、自転車の輪行袋は無事だろうか?

お!大丈夫だ。確かに大切な荷物なのだが、
だれもこんな大荷物を持ち歩きたくはないだろうと高をくくっていた。

列車の定刻には何とか間に合った!という感じだったが、
どうやら3分ほど遅れていたらしく、少しの余裕を持って待つことができた。
板敷ホームを足で踏みながら「ギシギシ」と鳴るのを楽しみながら
列車の到着を待った。

キハ54系のサイボーグな車体が到着、扉が開く。

僕はこの輪行袋という馬鹿でかい荷物があるのでみんなの後から乗車したのだが、以外にもかぶりつきエリアを望む人がいなかったのか、戻る際も前面展望を楽しみながら釧路へ向かうことになった。

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