鉄道旅行記

【1988年8月17日】根室の真夏の朝は一桁気温だった!

ツーリングトレイン根室

う~、寒っ!

根室の8月の朝。
気温は昨日の13度を大きく下回る9度

そう、8月というのに一桁気温の朝を迎えた。

そんな根室での一夜は暖かい布団にくるまっていたのではなく、重ね着したTシャツ4枚+ジャージという、
とてつもなく無防備な格好で、しかも野宿とさほど変わりない旧型客車の畳での一夜だったのだ。

朝、とにかく寒さで目を覚ました
いや、夜中にも何度も目を覚ましたが、寝つづけるしかなくて寝たのだが、
そうしているうちに、時計を見ると朝の5時半になっていた。

予定していた納沙布岬行きのバスが6時発だということで、
もう起きることにした。

だが、体中がしびれてなかなか動かない。
腕を曲げ伸ばししたり、指先をほぐしたりして何とか起き上がり、
荷物を肩にかけてヨタヨタと客車を降り、駅舎に向かった。

見ると、バスはすでに駅前で暖気運転をしていた。
「おぉー、ここならあったかい!」ということで、もうそこに乗り込んで、
暖を取ることにした。

「手がしばれるぅ~」などと言いながらずっと手をほぐしたりこすったりした。

本当の最東端の地へ

そして、6時。
バスは納沙布岬にむけて出発した。

僕は窓の外を眺めながら引き続き手をこすったり、「結んで開いて」を繰り返した。

午前6時の根室の町はすこしずつ人の動きが見え始めていた。
やっぱり日本最東端の町。
言い換えれば一番夜明けが早くやってくる街なのだ。

駅を出て動き出したバスから眺める町はそれなりに開けている感じがした。
最初のうちはバスもこまめに停車して乗客を拾っていった。

でも、根室高校を過ぎたあたりからは一気に郊外の景色になり、
「最果ての地に来た」という、昨夜の思いが再び思いをよぎった。

バスの旅は約45分。
根室駅そのものが東の端の地にあるような気がしていたが、
そこからさらに45分も東に走る余地があったことに驚く。

温かい室内で僕は爆睡した。
考えてみると、この2日間温かい所で寝ていなかったのだ。
13℃の網走駅前での野宿。そして根室駅構内のツーリングトレインは9℃。

バスの車内で余りにも爆睡しすぎて納沙布岬に着いたバスの運転手さんに起こされた。

こうして慌ててバスを降りて6時50分、納沙布岬に降り立った。
ついにやってきた正真正銘・日本最東端の地。

納沙布岬

この日の朝はちょっと霧が深い。
ちょっと冷たい空気を思いっきり吸い込んでみた。

そのあたりを散策し、灯台を見に行ってみた。
やや小ぶりだけど真っ白できれいな灯台が最果ての海を照らしていた。

その姿を写真に収めて、お土産屋さんに入ってみた。
そこにはスタンプが置かれていて、
押してみると 「日本最東端の店」 と書かれていた。
もう一つのスタンプには「翔べ!北方領土へ」と書かれていた。

段々と霧が晴れてきたが、もう一軒となりのお店に入ってみた。
このお店ではナチュラルな感じのポストカードのセットがあり、
北海道ならではの「動物」・「木」・「花」・「風景」など、幾つかのシリーズで、
僕は「動物」と「木」を選んで購入した。

それから納沙布岬とエトピリカを描いたメタルステッカーと
ホワイトチョコレート、そして謎の昆布スナックを買ってみた。

時間がたつのは早いもの。
この地に降り立ってもう1時間経過した。
バスが出る時間が近いので早めに戻ることにした。

そしてすきっ腹にホワイトチョコレートをバリバリパクパクと送り込んでいった。
マイルドですっごく美味しかったが、あまりにもおなかがすきすぎて
「美味しかった」ことしか覚えていない・・・

昆布スナック

バスは8時ちょうどに納沙布岬を出発した。
僕はその時までに板チョコをほぼ食べつくしてしまっていた。

早朝の海を眺めていたいと思ってバスの左側に座ったのだが、
ここも海の上ではまだ霧が深くて全然見えなかった。

バスの中では景色を見るほかにすることがないので
今度は「こんぶスナック」の封を開け、バリバリと食べ始めた。
何とも、お行儀の悪い旅行客だが、おなかのすき具合には勝てなかった。
とはいえこのスナック、とにかく半端でない量の多さ。
食べても食べてもなくならないような感覚で、
半分まで来たところで食べるのをやめてしまった。

とあるバス停で、小学校低学年と思われる子供たちが乗車してきた。
2人の男の子と、1人の鼻水を垂らした女の子。
仲良くしゃべっているかと思ったが、
別のバス停でもうお一人のお友達らしき子が乗って来た時、手話で話し出した。

やがて聾学校らしきところの前で下車していった。
私も聾者の友人がいるからか、その子供たちが明るく生きている姿が嬉しかった。

その後、バスはどんどん根室の市街地へ近づいているのか、
どんどん高校生らしき乗客が増え、気が付くと満員バスになっていた。
しかし、坂を上ったり下ったり繰り返し、ようやく街並みらしく待ってきた。

根室東高校前で高校生たちはみんな下車し、
バスはまるで終点に着いた回送のように一変した。

そうして最後の信号を曲がり、根室駅前のバスターミナルに到着した。

根室駅にて

バスを降りた僕はターミナル沿いにある観光案内所に立ち寄り、
根室の案内地図を求めた。するとパンフレットなどをどっさりくれた。
それを小脇に抱えて、記念に駅の写真をカメラに収めてから
根室駅の駅舎に入った。

朝は9℃だった根室駅もすでに暖かな日差しの恩恵にあずかっていた。

さて、次の乗車計画は急行ノサップ号釧路行きである。
10:20発のその時刻まではまだ1時間以上ある。

昨日泊ったツーリングトレインをじっくり見る時間があるということだ。
ツーリングトレイン根室

前の晩はすでに暗くなっていたので、見て味わう余裕もなかったけど、
これは本当に味わい深い客車だった。

サイドにはTouring Train という文字が書かれていて、
パンダさんの絵が描かれた車両もあった。

※その後の状況について(4年前ですが)調べてくださった方がおられます。
鉄道模型工作記録帳 様の記事、以下のページです。
北海道廃車体ツーリングトレイン・ライダーハウスについて

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