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【1985年6月】北陸・信州・木曽路~中3修学旅行~

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修学旅行2日目

当日は晴天になったものの、地盤不良で八方尾根への散策が中止に。
翌日以降の予定を早めることもできず、計画を先生たちが練り直しておられた。

そこでだ。じっと待機!の指示だったが、僕の心がうずうずと動き出していた。
それは、大糸線に特急あずさ が1往復だけ来る事、まさにその時間が迫っていたからだ。

その線路はロッジから歩いてわずか10分ほどの所にある。
僕はとうとう、こっそりロッジを抜け出して鉄分に飢えた狼の様に線路へと歩いた。

線路沿いにすわり、北に目をやりそのときを待った。
南小谷発新宿行き特急あずさ号。その姿が・・・・・「見えた!」

思えば中1の夏、新宿駅の駅員にホーム入場を断られて以来遠い存在のあずさちゃん。
念願かなってようやく会えたのだ。 そして僕の方に近づいてくる・・・・・

ちょっと前まではすべてが松本止まりだったのにこうして大糸線に今は来る。
「ほんまにこの学年で良かった!」心からそう思った。

それにしても、姿が見え始めてからもう何十秒経っただろう?
あずさ はなかなか近づいてこない。停まっているのだろうか?
いや、ゆったり、ゆっくりと近づいて来てはいる。

僕はその頃何度も挑戦して鍛えた腕で“流し撮り”を狙って・・・
と思っていたのに、その必要はなさそうだ。

もしかして、単線の線路際に怪しい(?)中学生がいるのが見えたからか?
理由はよくわからないが、ゆったりと近づきそこで列車は停車した。

「えぇ~っ?停まった!」 旅行者の姿はほとんど見えない。
その後もずっと理由は分からないままだが、スペシャルなサービス(?)付きの
撮影会がこうして行なわれ、完全国鉄メークの183系あずさを堪能できた。


特急あずさ

信濃森上駅方向の、南小谷側の山々をバックにして素晴らしいひとときだった。
わずか3分ほどの後、特急あずさ はまたゆったりと走り去っていった。

その後、あまり経たずにもう一度踏み切りがなり始め、
湘南カラーの165系(169系かもしれない)電車がゆっくり通過していった。

僕も、抜け出してきたロッジに戻ろうと走って行った。
「もし騒ぎになっていたらどうしよう?」ほんの少しの不安を抱えながら。
しかし、ちょうどみんながロッジ前に出始めたタイミングで、
遅ればせながら白馬山歩きショートコースに出かける準備中だった。

僕はそこにうまく合流でき、何事もなかったかのようにみんなにまじり、ホッとした。
この撮影会のことだけは中学を卒業するまで、ほとんど誰も知らないままだった。

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