嵯峨野トロッコ列車の簡単な解説
◆ トロッコ嵯峨~トロッコ亀岡の7.3kmを結ぶ嵯峨野トロッコを走らせている嵯峨野観光鉄道はJR山陰本線の線路が電化に伴って移設された際に「保津川沿いの風光明媚な旧線路を保存したい」という願いから観光活用されることになって誕生した。だからこそ保津川沿いの自然や渓谷美を存分に楽しめるように平均約25km/hのゆっくりとしたスピードでおよそ25分かけてゆっくりと景色を楽しめる設定となっている。
トロッコとは、元々荷物輸送用の箱型車両のこと。嵯峨野トロッコ列車はそんな貨車にクラシカルなカラーリングを施して魅力をアップしている。木製椅子と裸電球が懐かしさを感じさせるアールデコ調の5両編成の客車がディーゼル機関車に引かれて渓谷を縫うように走る。
5号車の『ザ・リッチ号』は窓ガラスのないオープン車両であり、天井も8割がたガラスで空が見える構造になっているため、天気が良ければまさにトロッコらしさをもっとも味わえる車両。
寒い季節には、石炭ストーブが設置されたストーブ列車も登場し、また違った味わいを感じられる。
車両はディーゼル機関車DE10形1104号機を専用機として用い、予備車として1156号機が牽引の任にあたることもある。京都方向のトロッコ嵯峨駅に向かう時に先頭に立つ。
赤と深いこげ茶色の専用塗装がトロッコ列車の専用機としていい雰囲気を醸し出している。先頭とサイドにトレインマークが取り付けられているのも非常に良い。
客車は、トキ25000形無蓋貨車からの改造で5両編成。
機関車から見て最後尾にあたる車両(トロッコ亀岡駅方向)には運転台が設置されており、ディーゼル機関車の動力制御をここで行えるようになっている。ここだけを見ていると、まるで通常の電車に乗っているような錯覚に陥る。
こちらの車両の外側・妻面にも同じデザインのヘッドマークが取り付けられている。
トンネル内に入ると裸電球の温かな味わいが一気に車内を包み込む。明るいうちはあまり気づかなかった別の魅力が印象深く感じられる瞬間だ。
トロッコ亀岡から嵯峨に向かう列車で、終点のひとつ手前にある「トロッコ嵐山駅」で数多くの下車客がいることがある。海外からの訪日客が多い場合に、特にその傾向が強いようだ。
したがって、中国人観光客が多かったこの日も、トロッコ嵐山~トロッコ嵯峨間では空席の多い車内の写真を撮影することができた。
乗る際に気を付けたい点
●トロッコ亀岡駅は亀岡駅からはずいぶん離れているため、利用する際には十分に位置関係を調べておきたい。
●雨が降る中では座席が濡れる場合があるのでそれも対処できるように心づもりしておく必要がある。
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「トロッコ保津峡駅」
保津川沿いの、橋が架かるところに位置する「トロッコ保津峡駅」。小舟で川を下る保津川下りを眺めながらこの駅に到着する。駅に到着すると線路がややカーブしているため列車全体を視界にとらえられるのも素敵だ。
また、素敵な鐘の音が響き渡り、短くも楽しい旅の雰囲気を高めてくれるのが嬉しい。駅のすぐ隣りを流れる川の音と鐘の音のハーモニーを感じられるのもこの駅ならではの魅力の一つだろう。
「トロッコ嵐山駅」
前述の通り、数多くの訪日客が下車していたトロッコ嵐山駅。
この駅はホームの大半がトンネル内にあり、ホームを歩いて光を目指す。外に出たら出口がある。
嵯峨野トロッコの予備機関車
専用機と同じカラーリングの予備機関車1156号機が京都鉄道博物館からよく見える位置で整備されていた。予備運用とはいえ、大切な任務を担っているのでいつでも対応できるように整えられているのだろう。
嵯峨野トロッコのデータファイル
【登場時:】運転区間:トロッコ嵯峨~トロッコ亀岡 (往復)
・ 使用車両:DE10 (両)
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