道南いさりび鉄道増収案~まずは話題作りから~ | 列車データ館
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道南いさりび鉄道増収案~まずは話題作りから~

鉄道コラム
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これが三セクの生きる道

「長距離利用者がほとんどいない」、「沿線人口も少ない」、「拠点機能が別の駅に奪われつつある」・・・。第三セクターの鉄道を取り巻く環境はどう見ても望ましいものではありません。どうしても「切り捨てられた」というイメージが付いて回ります。そんな三セク鉄道を何とか応援したい、そんな気持ちからいろいろなことを考えてみました。

モデルケース【1】北越急行ほくほく線

超快速スノーラビット号越後湯沢行き

2015年3月の北陸新幹線開業に伴って首都圏から北陸へのルートとしての機能をごっそりと奪われてしまった北越急行。特急はくたか号という目玉列車の運転を終了したものの、非常に面白い策に打って出ました。かなり話題になりましたので多くの方がご存知と思いますが「超快速スノーラビット号」です。

この列車、当然ながらスピード比べでは新幹線にかなうはずがない中で「新幹線の上越妙高駅が市街中心部から離れている」ということに目を付けて市街中心部の直江津駅に「条件次第では短時間で着く」ことをやってのけた列車です。

さて、道南いさりび鉄道で同様のことを行なえないだろうかと時刻表を紐解いてみますとあることに気付きました。それは、下り列車からはこだてライナーへの乗り継ぎ時間はほぼ10分強なのですが、上り列車の方は意外と乗継時間が長い(ポイント1)のです。もう一つの注目点としてはこだてライナーは快速運転するものもあれば各駅停車して所要時間が長いものもある(ポイント2)という点。

検証! 道南いさりび鉄道 VS JR (時間編)

函館を11:53に出発するはこだてライナーは各駅停車で22分かけて新函館北斗に着きます。そして次の東京行きはやぶさ22号への乗り換え時間として29分とられ、はやぶさ22号は13分後の12:57に木古内に到着します。この間、函館駅から木古内駅まで1時間04分

これなら、十分戦える余地がありそうです。

道南いさりび鉄道はキハ40系で対抗しないといけないので特急白鳥号の時刻は参考になりませんので、1988年の時刻表から快速海峡号の時刻をひっぱりだしてみました。すると、意外と速いのです「42分」で函館~木古内を結んでいました。もちろんその間ノンストップです。

この所要時間をそのまま当てはめて「超快速海峡号(仮称)」を走らせるとしたら、木古内駅での乗り換え時間を15分取っても、函館駅を12:00発で間に合うわけです。しかも、新幹線にかかる料金が節約できてしまいます。

検証! 道南いさりび鉄道 VS JR (料金編)

函館~木古内間の道南いさりび鉄道経由の料金は1110円

では北海道新幹線経由での料金と比較してみましょう。以下の一覧は主要な駅から函館駅に向かう際に新函館北斗まで北海道新幹線を利用した場合と木古内駅で降りた場合の差額を示しています。

●東京:運220+特1130=1350

●仙台:運650+特1130=1780

●盛岡:運540+特1130=1670

●新青森:運650+特1130=1780

ただ、上記運賃は新函館北斗までのものなので函館まではおおむね300円強プラスとなります。それで、これらの金額から道南いさりび鉄道の運賃1110円を差し引いた額が節約できた金額となります。

検証! 道南いさりび鉄道 VS JR (景色編)

「あまり景色が楽しめない・・・」

それが北海道新幹線に乗った人の多くから聞かれる声です。トンネルだらけ、防音壁だらけではそれも仕方ありません。一方、道南いさりび鉄道となった(旧・江差線の)木古内~函館間の景色は津軽海峡から函館山を望む素晴らしい景色。かつて寝台特急日本海北斗星特急白鳥などでこの路線を通っていた人たちにとっては「あの景色をまた見ながら乗りたい」と思っても不思議ではありません。そして、乗客の乗り降りの無い快速運転の列車内で海の幸をふんだんに使った弁当(予約制)を提供したら・・・。

ここで「ながまれ号」という特別仕様の車両を使ってもいいと思うのですが、でもこの「ながまれ」という名前、道南地方の方言で「ゆっくりして」とか「のんびりして」という意味のようなので、この車両を使って超快速なんてやってしまうと少しばかり矛盾した列車になってしまいますね(笑)。

結論として・・・

●所要時間・・・不利だが、ごく一部勝機あり。

●料金 ・・・・出発地により1000円前後の節約可能。

●景色 ・・・・断然、道南いさりび鉄道の勝ち!

したがいまして、「超快速海峡号(仮称)で津軽海峡を眺めながら食べる駅弁」というような意図のことを打ち出すキャッチコピーでいかがでしょうか。(かなりセンスの面で改善が必要ですね)

そして、列車設定は、上記の「はやぶさ22号」への接続と、夕方の下り「はやぶさ21号」からの連絡が「時間短縮」でもっとも効果的かと思われますので、それをお勧めしたいと思います。

これまで、北海道新幹線の利用促進のことを書いてきて、今日はそのライバルを応援する内容を書きました(笑)。私はどちらの味方というわけでもなく、どの鉄道も元気でいてほしいと思っています。

※イメージ画像提供:歩王のれっつらご~

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