【ブルートレイン】プルマン式A寝台に思いを馳せて・・・ | 列車データ館
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【ブルートレイン】プルマン式A寝台に思いを馳せて・・・

鉄道コラム
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プルマン式A寝台のはしご

プルマン式A寝台って何?

nihonkai13

A寝台がB寝台より上のクラスの寝台であることはほとんどの方がご存知だと思いますが、A寝台にもいろいろあるということについては乗車経験のない方にはあまり知られていないかもせれません。まして、「・・・式」とか言われても???となるかもしれませんね。

この「プルマン式A寝台」というのは、車両の中央に通路があって、その両側に寝台が「線路と平行」の向きで並んでいるタイプの寝台車です。その車両を使用していた最後の定期寝台特急はブルートレイン日本海号(大阪~青森)でした。車両形式はオロネ24形といいます。

ちなみに、「プルマン」というのは開発した人の名前で、アメリカ人のジョージ・プルマンによる寝台保有会社プルマン社の採用していた形が呼称の由来のようです。  大容量モバイルバッテリー◆ANKER◆サイズ各種

2段ベッドの寝心地は結構いい!

開放式B寝台

実のところ、私はこのタイプの寝台車に乗車したことがなく、どれくらいの余裕があるベッドなのかを実感したことがありませんでした。比較の参考として、開放式B寝台のベッド幅は70cmで長さは195cmほど。(写真は開放式B寝台です)

それに対してオロネ24形のプルマン式A寝台は、長さはわずかながら短くなるものの、幅が93cmほどで、ゆったりしています。その差23cmですから、ちょっと大柄な男性が大きく手のひらを広げた時の親指から小指それぞれの先までくらいの分も広がるのですからとってもゆったり感じられます。

プルマン式A寝台・下段

下段の場合の高さは112cmほどあり、中肉中背の人であればまったく支障のない快適な空間を確保できています。

実際の運転時には座席のモケットの上にマットレスが敷かれていましたので段が気になることもそれほどなかったようです。

 

プルマン式の上段で一夜を過ごしてみた!

プルマン式上段のモケット

今回、岩手県で静態保存されている24系ブルートレイン3両が列車宿泊施設として利用できるのでA寝台を一両貸切でお借りしまして体験してきました。施設については別途ご紹介することにしまして、実際に一夜を過ごした上段寝台をご紹介します。

【寝台サイズ】長さ185×幅88×高さ92(いずれもcm)ということで、下段と比べるとほんの一回りコンパクト。しかも、この高さの数値は通路側の、一番高い部分なので、窓側に行くにつれてどんどん低くなります。

上段寝台にシーツを敷いた

と、少々マイナス面を述べながらも、実際には「とても快適」というのが私の印象でした。やはり下段と比べて有利なのはフルフラットであるということ。私自身は座高が88cmということで、背筋を伸ばしてもなんとか大丈夫。

実際に横になってみても、堅すぎず柔らかすぎずの心地よいモケットで、身体が沈み込んでしまうこともなく、ぐっすりと眠ることができました。

上段寝台・はしご(足)側書き忘れていましたが、上段寝台へははしごを使って上ることができます。そして、上った部分が寝台の足側の位置です。

厚手のカーテンを閉めるとすっかり自分の空間といった感じです。このカーテン、ちょっと面白くて「通気用の切り込み」が設けられています。「カーテンは閉めていたいけどちょっと暑い」というようなときに重宝したのでしょうね。

さて、少々難ありと思うのが荷物の置き場です。小さなカバンくらいならベッドの脇に置いたり、リュックのようなものならフックに掛ければよいのですが、トランクケースなどだとちょっと厳しそうです。

前から気になっていた小窓は・・・

上段寝台の小窓(OPEN)上段寝台の小窓(CLOSE)

下段寝台には一般的な大きな窓があって、車窓を眺めながら缶ビールを飲むなんてことができるのですが、上段寝台の場合はわずかな小窓しかありません。ビジネスユースの方々にとっては単なる移動手段と割り切って上段を選択するのもありだったかと思います。ぐっすり睡眠をとることを優先するなら、小窓をピシッと閉められることはむしろ利点なのかなとも思います。

上段寝台の小窓(朝の景色)

が、旅行のひとつの行程とするのならやっぱり景色は眺めたいものですよね。というわけで、ずっとこの小窓の「有効視野」がどれほどなのか見てみたかったんです。

朝になって、窓を開けてみました。

確かに、広い視野を期待することはできませんが、それでも「まぁ、悪くないか・・・」という印象でした。

下段寝台も一応セットした!

下段寝台セット時

こちらはやはり、上段より余裕あるスペースです。照明と鏡の上にある棚のようなものは、座席設定時にヘッドレストのような役割をする「上背ズリ」と呼ばれる部分ですが、寝台使用時には写真のような、角度になります。

おそらくこれは頭をぶつけることがないように設定されたのだと思いますが、ここに置くことができるものは限られそうな感じがしますね。

下段寝台・足元側の荷棚

一方、足元側の同じ部分の棚は角度が緩やかなのでいろいろな使い道がありそうです。水平ではありませんが、これがむしろ、ビジネスバッグなどを置いても安定するポイントと思われます。

窓下のテーブルは寝台使用時にも使えそうですね。やっぱり缶ビールとおつまみで晩酌するのに最適なのは下段のようです。

下段料金:10500円、上段料金:9540円。皆さんならどちらを選ばれますか?

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