前回ご提案しました「ウィスキー・利き酒列車」、いかがでしたか?
⇒記事はこちら「北海道新幹線の価値向上~北海道版・越乃shu*kura~その1」
さて、今回はその続きです。
ウイスキーと好相性のおつまみと言えば?
この質問の答えは、人の好みによって様々あるかとは思うのですが、ナッツ類であったりジャーキーであったりするでしょうか。
悩みどころではありますが、ここで選択要素としたいのは「旅行パートナーが喜ぶアイテム」、そして「一緒に旅を楽しむためのアイテム」と考えてみました。例えば、ご主人がウイスキー党で奥様が「マッサンのファン」だったとしましょう。奥様は列車内で何を楽しみたいでしょうか。
そう考えた時に、スイーツ系のおつまみをメインにするのがいいように思うのです。地元で、知名度があって、美味しい・・・。いくつかの企業が候補に挙がりそうですが私が注目したのがROICE(ロイズ)です。生チョコレートが有名ですが、いろいろな味のアイスクリームも取り扱っていますし、ポテトチップチョコレートなんていう商品も隠れた人気商品です。
(画像はROICEのHPより拝借)
ふと考えてみますと、「YOICHI」と「ROICE」って、アルファベットの綴りも似ていて列車のネーミングにもそれを活かせそうだったりしてますます相性を感じたりします。(妄想がどんどん膨らんでいます)。
大容量モバイルバッテリー◆ANKER◆サイズ各種
肝心の列車設定ですが・・・
このROICEは札沼線の沿線、石狩当別(太美)・あいの里公園・千歳に会社があるようです。さすがにこれらの場所から小樽・山線経由で新函館北斗までというと距離的にも所要時間としても厳しいものがあると思いますので、ここでは工場見学プランなどは無しにして「列車内で楽しんでいただいた方が良い」と思います。ちょうど福島県のフルーティアふくしまと同様です。
それで、利便性も考えて始発駅は小樽駅。上り列車には工場見学はあえて含めず、純粋に車内で楽しんでいただきます。
ウィスキーの利き酒列車という要素ももちろんありますので、ウイスキー・オン・ザ・アイスクリームといったメニューやいろいろなウイスキーといろいろなチョコレートの組合わせ比較を兼ねた試飲を用意したりすると本当に楽しめると思いますね。
列車の時刻設定
上り列車の時刻設定を考える際には新幹線の時刻をまず想定して逆算していかなければならないでしょう。なにしろこの列車は「北海道新幹線を利用してもらう」ことが大前提の列車なのです。
やはり、首都圏の方をも想定することが必要でしょうから東京にあまり夜遅くならないうちに到着したいところです。例えば・・・
東京に20:32着のはやぶさ30号があります。この列車は新函館北斗を16:17に出ますから16:00には着いておきたいところですね。欲を言うと、「新函館北斗でお土産をもっと買ってほしい」といった露骨な願いを考えるともう少し時間が欲しいところです。
それで15:40に新函館北斗駅に到着する想定とすればそこから4時間と少し遡って、小樽駅発車は遅くとも11:30くらい。逆に言えば11:00ごろに小樽駅を出発すればゆったりとした走り方ができる計算になります。午前の小樽観光の時間が取れることや札幌からここまで来て利用したい人への配慮という意味でも十分な時間設定だと思います。途中、美しい山を見ることができるニセコ駅や、主要駅のひとつである倶知安・長万部などで少しの停車をするのもいいかもしれません。
問題は車両の調達
こんな話を書いていますが、おそらく読んでくださっている方のほとんどが「JR北海道が車両の調達をできるはずがない」とお考えだと思います。そうであれば、新たな改造が最小限で済む方法として「ジョイフルトレインの転用」が良いのではないかと思います。北海道には現在、半端になったお座敷車両キハ183系が2両とキハ40系が1両あるようですがそれを転用できるかは少々怪しい感じがしますので、ここは思い切ってお隣のJR東日本から譲り受けるのはどうでしょうか。まもなくお役御免になる車両がありますよね。
リゾートしらかみ・橅編成です。まもなくHB-E300系というハイブリッド車両が導入されるということで、現在の任を解かれようとしています。この車両は側面の窓がとても大きいことから素晴らしい眺望を楽しめるということで五能線で長らく活躍してまいりました。
もしこの車両がこの利き酒列車に使用されれば内浦湾や羊蹄山といった、バラエティーに富んだ素晴らしい景色を楽しむのにうってつけではないかと思うのです。
JR東日本がこれを譲ってくれるかという点では正確なことはもちろんわからないのですが、それでも北海道新幹線の利用者が増えるためであれば協力を惜しまない懐の大きさがあると期待したいですね。
車両改造費は?
仮に本当にこのリゾートしらかみ・橅編成の車両を転用できるとしても「最小限の改造費も出ないのでは?」と言われるかもしれません。でも考えてみてください。この列車がもし実現したらウイスキーの会社もチョコレートの会社もかなりの宣伝効果を期待できるはずです。そうであれはコラボレーションと引き換えに改造費を負担してもらってもいいのではないでしょうか。
旅行商品の運営は?
本来ならJR北海道の自社系列の旅行会社でと言いたいところですが、現在のところ非常に小さな組織になっているようです。そうであれば、首都圏のお客様を呼び込むという意味合いからもJR東日本系列のびゅうトラベルサービスに委託してJR北海道は列車の運行のみに力を入れるといいのではないでしょうか。
終わりに
寝台特急や夜行列車を始めとする在来線旅客列車をほぼ全面的に廃止してまで開業した北海道新幹線。それが20%台の利用率というのはやはり残念でなりません。ぜひとも利用促進策を積極的に打って元気になり、ローカル線も含めて「切り捨てではなく活性化」へと舵を切ってもらいたいものですね。