課題克服へ!北海道新幹線が高速化に挑む! | 列車データ館
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課題克服へ!北海道新幹線が高速化に挑む!

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4時間の壁をきれなかった北海道新幹線

開業を迎えようとしている割に、「前途多難」のレッテルを貼られている印象が強い北海道新幹線。その理由の中でも最大の点が所要時間です。航空機とのシェアの比較に目を向けた時、「東京~新函館北斗を4時間切りで結べたら勝算あり」との見方が強かったが、最終的に発表されたのは最速で4時間2分

991 しかも、その発表は最低限のパフォーマンス的なもので、大半はそれより多くの時間がかかってしまい、さらにそこから函館市街まではずいぶん距離があるという状況です。

この状況を打破する唯一の方法は、さらなる高速化です。

開業時の北海道新幹線の速度は?

「新幹線」というと、定義上も200km/h以上の速度で走る鉄道なのですが、この北海道新幹線に関しては、青函トンネルとその前後区間(約82km)において、「在来線貨物と線路を共用する区間」があるため、すれ違う際に貨物の荷崩れが起こることを防止するために、当面のあいだ最高時速を140キロに制限することになっているのです。ですから、本来の整備新幹線レベルの260km/hでの運転さえ可能になれば「東京~新函館北斗を3時間45分で結ぶ」ということも決して無理な話ではないのです。
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高速化への一手

まずは、設備上の改良などがあまり必要ない分野から取り掛かるようです。北海道新幹線開業の2年後となる2018年春から、1日1往復だけながら「青函トンネルなども260km/hで走行する最速新幹線」を導入するためにJR貨物との時間の調整を図り、貨物列車が通らない時間帯を設ける予定だそうです。

約82kmの区間を260km/hで走るわけですから、計算上は20分ほど「新幹線専用時間帯」を設ければいいわけです(もちろん、余裕が必要でしょうからもう少し多く取られるでしょう)。ですからこれは手っ取り早い方法ではあります。ただし、JR貨物にも言い分はあるでしょう。例えば、その「専用時間帯」の前に本州から北海道へ行く貨物列車に遅延が生じたとしましょう。そうすると専用時間帯があるために待機しなければならず、遅延が拡大してしまうことになります。ですから、一日に何往復分も専用時間帯を設けることには決して同意できないでしょう。

高速化への次の一手

青函エリアの貨物列車の高速化については2005年度から、「トレイン・オン・トレイン案」が検討されてきました。これはコンテナを載せた貨車ごと新幹線用車両に載せる方式です。メリットとしては、比較的短時間でセッティングできることや、新幹線レベルの速度で走行できるという想定でしたが、デメリットとして「重量が過大、重心が高すぎる」といった点があり、実用化の結論には至りませんでした。Train On Trainの頭文字をとって(TOT)と略したりしますが、顔文字に見えてきます(笑)。

そこで国土交通省と関係するJR3社などは、別の方式の検討を始めているとのことです。それは、新幹線仕様の貨物列車を開発してコンテナを直接載せる方式です。計画では、最高時速200km/hでの走行を見込んでいます。

構造としては、在来線サイズコンテナより広い新幹線幅の貨車上の左右に「側壁」を設けて対向車両の風圧を防ぐ形。左右の側壁のあいだにコンテナがすっぽり収まるようになり、専用クレーンを使って「在来線」「新幹線」双方の貨物列車間でコンテナを積み替える構想です。

E5系、H5系などの車両をベースに開発するようなので、ちょうどMc250のような貨物電車の新幹線版と言えるでしょうか。両端の車両が新幹線らしい形になるなら非常に面白いと思いますね。2020年代の早いうちに実用化したい考えのようです。

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