お正月の風物詩の一つ、箱根駅伝。
鉄道ファンの中にも箱根駅伝を好んで見ているという方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中で、鉄道にまつわるシーンが出てくるとやはり鉄道ファンは盛り上がるというもの。そんな場面をちょっと振り返ってみることにしました。
スタート&ゴールの背後には・・・
おなじみの読売新聞本社前。そこが箱根駅伝のスタート&ゴール地点です。その地点で背後に電車たちが通っているのが何度も見えることに皆さんもお気付きかもしれませんね。
それは東京駅の少し北に位置するあたり、神田駅との間です。つまり山手線や京浜東北線、そして上野東京ラインが通っているんです。
ちなみに、1区はスタート地点からほんの少し西に進んですぐに左折して南下するコースで、アンカーの10区は馬場崎門から東京駅の東側を迂回して読売新聞本社のゴールに来るコースなので微妙に異なります。10区が線路の高架下をくぐる形になります。
東京駅を左に見て・・・
1区のスタートからドキドキ感が収まる間もなく、選手たちは東京駅前を通過していきます。毎年恒例のこととして、この東京駅・丸の内口のレンガ駅舎の映像が必ず映りますから、これも見逃せないポイントの一つです。
そして、忘れてはいけないのが今年開業の高輪ゲートウェイ駅!走路の東側にはっきりと見て取れます。
1区最初の仕掛け場所・新八ツ山橋
起伏の少ない1区の中で、先頭集団が揺さぶりをかける最初のポイントとなることで知られるのがこの「新八ツ山橋」。この橋はJR東海道本線をまたぐ橋なのですが、実はJRの列車よりもよく見えるのがコースと並行して通っている京浜急行。かなり高確率で走っている姿を見ることが出来ます。
忘れられない京急・蒲田踏切
スタートから15.3kmのところに現在では京急の高架下をくぐるところがあります。ここは数年前まで地上路線だったところで、踏切がありました。京浜急行は箱根駅伝にとても協力的で、可能な限り選手の通る頃には電車を止めるようにしてくれていたそうです。でもどれだけ協力しても避けられないアクシデントが起きてしまったのが2008年。
シード権内を逃げ切ろうと奮闘していた東海大学・10区の荒川丈弘選手(→旭化成)が線路の溝に足を取られて負傷し、ゴール目前で棄権となってしまったのです。シード権目前だっただけにあの衝撃は見ている人たちにも大きかったことでしょう。
そんな蒲田の踏切はなくなりましたが、高架上を走る列車の姿が映りこむこともあります。
駅の近くを通りはするが(2区・9区)
2区
のスタートとなる鶴見中継所自体も京急・鶴見市場駅にほど近いところにありますが、その後も線路との並行が続きます。やがて東海道本線が近づき、5km過ぎのところでは新子安駅などが近づいているのですが、微妙な距離を保って進んでいきます。テレビ放送での箱根駅伝を見ていると8.5km位のところで横浜駅前を紹介するのが恒例となっています。
それから2区11km前後の保土ヶ谷あたり(9区だと権太坂を下りきって少しのところ)は東海道本線との並走区間になっているのでたびたび列車が映りこみます。
高確率でロマンスカーが映りこむ箱根湯本駅付近
3区
はかなり鉄分が薄く、4区もあまり強い鉄分はありません。強いて言えば国府津駅付近はけっこうコースの近くですので角度によっては写りこむこともあるのかなという程度。
ところが鉄道ファンのワクワク指数が一気に上昇するのが箱根湯本駅付近。5区に入って3kmになろうかというあたりにあるこの駅はいくつものアーチが連続したようなデザインで、すぐにそれとわかる駅なのですが、選手たちが走っているときにかなり高い確率で小田急ロマンスカーが通りかかるのです。今まで見た中ではVSEが多かったかな。とにかく、テレビ放送での注目ポイントです。
ちなみに、2019年往路ではデビューしたGSEロマンスカーが停まっている姿が見られました!!!
2020年往路ではVSE。復路はどうなるかなぁ。
小田原中継所に新名所誕生!
4区から5区への中継所となっている小田原中継所、鈴廣蒲鉾本店。そこに箱根登山鉄道から譲渡されたモハ1形モハ107号を静態保存し、車両を活用したカフェが9月8日にオープン。名称は『えれんなごっそCAFE107』というそうです。箱根登山鉄道ファンのみならず、懐かしさを感じられるレトロな車両を楽しむのも新しい観戦スケジュールの一部になるかもしれませんね。
今でも通る、小涌谷踏切
京急蒲田の踏切はもう姿を消しましたが、その一方で今でも残るコース上の踏切として知られるのが箱根登山鉄道の小涌谷踏切です。この箱根登山鉄道さんも協力してくださっていて、電車を止めて選手を優先的に通してくださっています。2020年は災害による運休が続いていてその姿は物理的に見られません。
例年でしたら、停まってくださっているシーンを見られたらとっても貴重ですので、もし見たなら賞賛ツイートでもして、評判を上げてあげたいなと思います(笑)。
いかがでしたか。
今年の箱根駅伝を見られる時にはそんな点もちょっと頭の片隅に置いておいてくださいね。