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寝台特急カシオペア号の簡単な解説
◆ 上野~札幌を結ぶ豪華寝台特急として、E26系というJR東日本の特急形としては最新の客車を用いて運転されてきた寝台特急カシオペア号。
客車のカラーはシルバー系の配色で5本のレインボーラインが特徴の、ブルートレインの仲間ではない新世代の夜行列車。2015年に廃止された寝台特急北斗星号と全く同じ区間だったが列車そのもののコンセプトを異にしていた。2016年3月のダイヤ改正に先立って、上野発の下りが3月19日、札幌発の上りが同20日を最終日となった。
客車としては珍しい特徴の一つが「密着連結器」。電車に使用されることが多い隙間のない連結器だが、始動時などの衝撃が少ないので乗り心地の向上に大きく貢献している。 2010年に、牽引機関車がカシオペア専用色のEF81から、新型機関車EF510-500にバトンタッチした。
その初期にはブルーのEF510だったが、銀色のカシオペア専用塗装の新型機関車509号機・510号機が造られてからは基本的にその機関車が先頭に立つ。もっとも、津軽海峡線は従来通りED79、北海道内は北斗星カラーのDD51重連による牽引であることには変わりなかった。
◆寝台特急カシオペア号のデータファイル
【登場時】1999年7月16日
・ ●運転区間:上野~札幌 運転本数:週に3往復 使用車両:EF81・DD51(重連)・ED79・E26系
【2010年6月25日】EF510型500番代による牽引を開始。
【2010年7月23日上野発】銀色のEF510運用開始。(参考:号外 寝台特急カシオペア号に銀釜509号機 )
【2016年3月20日】札幌発上野行きをもって通常運行を終了。
・ ●運転区間:上野~札幌 運転本数:週に3往復程度 使用車両:EF510・DD51(重連)・ED79・E26系
【2016年6月ごろ】団体列車としての運転を再開。
画像提供:♪An’s Railway memo☆ 様
◆北海道新幹線に伴う廃止とツアー列車としての復活
北海道新幹線の開業に伴い、急行はまなす、特急スーパー白鳥、特急白鳥の在来線優等列車たちすべてと共に姿を消した。豪華クルーズトレイン「トランスイート四季島」についての計画がだんだんと明確化してきている中で、カシオペアのE26系の位置づけの変化がどのようなものになるのかが注目されていた。
カシオペアの車両そのものはまだ比較的新しいのでJR東日本管内を中心にしばらく活躍することが模索されていたが、JR貨物の交流25000V対応機関車「EH800」とディーゼル機関車「DF200」を借りて牽引できることになり、北海道への運転も含めた「カシオペアクルーズ」・「カシオペア紀行」が実現した。残念ながら2017年2月26日をもって北海道乗り入れは終了し、現在では本州内の運転で完結するタイプの「信州カシオペア紀行」や青森・盛岡発着の列車などが見られている。
◆寝台特急カシオペア号の画像集
2010年春に撮影したEF81牽引時代晩年。通称カシ釜と呼ばれたカシオペア専用塗装機は、EF81型電気機関車の中でもそれまでの故障歴がとりわけ少ない機関車を選んで専用機としたものなのだとか。
しかし、専用機とは厳密なものではなく、カシ釜が寝台特急エルムを牽引したり、北斗星用とされるいわゆる星釜のEF81がカシオペアの先頭に立ったり、あるいはスーパーエクスプレスレインボー用の通称:虹釜が各列車の先頭に立ったりと、結構バラエティーに富んだ組み合わせを見ることができていた。
寝台特急といえば天体関係の名前が多いが、夜行列車という性質からすると確かにしっくりくる。寝台特急北斗星の名前の由来である「北斗七星」とこの「カシオペア」、これら二つの天体は一年中見ることができるという点で優れた命名と言える。というのは、緯度が高い両極地方の土地でない限り、大多数の天体は季節によっては見ることができないものとなり、「見えない天体の列車名」が付けられた列車というのはやはり違和感があるからだ。
さて、両列車は電化方式が直流・交流と途中で変わる区間を走るため、本州内においては交直両用の機関車が牽引した。2010年6月下旬までEF81だったがEF510にバトンタッチした。ブルートレインカラーに合わせた機関車が13両(すでに全機JR貨物に譲渡)、そして銀釜と呼ばれるカシオペアカラーの機関車が2両存在するが、そのどちらも運用に就くことがあった。
青森駅では、青函トンネル内の専用機ともいえる交流電気機関車ED79に機関車を交代。ED75として活躍していたころから変わらない赤いボディーの機関車である。
北海道内では非電化区間が多くを占めるため函館駅でDD51の重連に交代し、終点札幌までの運用につく(いずれも下り列車視点)。
そのDD51にもカシオペア専用カラーは存在しないため、ブルーのボディーの北斗星カラーが先頭に立つ。このDD51は他にトワイライトエクスプレスや急行はまなす号の先頭にもたっている。
4月になり、夜明けが早い時期になってくると仙台近郊でも上り列車がなんとか撮影できるようになる。桜並木の有名な撮影名所だが、このコラボレーションを撮影できるかどうかはその年の桜前線の進み具合による。もうここでのシーンを見ることはできないかと思われたが、ツアー列車として再びここを通ることが発表された。ただし、2016年は6月からということなので桜とのコラボは難しそうである。
銀釜と客車のレインボーラインのたかさを比べてみたところ。全く同じ高さになってはいない。それは、機関車の側がヘッドライトの位置にラインをひいたからだが、それが違和感をもたらすことは全くなく、十分に専用機としてデザインされたものと呼ぶに値する。
◆寝台特急カシオペア号のお役立ちサイトご紹介
・ 【鉄道模型製作用参考写真集】・・・編成単位ではなく、1車両ごとのサイドビューをとらえた写真集。大きな画像データなので細部に至るまで見て確かめることができる、非常におすすめのサイト。 ●カシオペア DD51牽引
・ 【座席探訪】・・・列車内の様子を解説してくれているわかりやすい写真集。車両のタイプごとに詳細な解説と画像が含まれているサイト。おすすめです。 ●E26系・カシオペア
寝台特急カシオペアの連結シーン動画
◆静寂の中に小さく響く連結音。まさにプロフェッショナル。