923形ドクターイエローの簡単な解説
東海道・山陽新幹線用新幹線電気軌道総合試験車、ドクターイエロー。新幹線の高速運転を支える様々な設備の状況を走りながら測定する、言わば「新幹線のお医者さん」だ。形式は923形でJR東海およびJR西日本の車両である。約10日に1度の周期で、電気設備や軌道設備などの状態を計測し、ここで得られたデータをもとに、各設備のメンテナンスの基礎資料として日々活用してきた。
最高速度200km/hだった922形T2・T3編成を置き換えることによって老朽化対策だけでなく250km/h超の車両増加にも支障をきたすことがないよう計画された。実際923形は270km/hでの走行が可能であり、営業運転300km/h時代にもなんとか対応することができてきた。
2000年10月にT4編成(JR東海)、そして2005年にT5編成(JR西日本)が登場し、長らく活躍してきたが営業車両であるN700Sに営業運転中での設備点検を行う機能が搭載されており、営業車検測機能で代替することになったため老朽化したT4編成は2025年1月に、そしてT5編成の方も2027年度を目途に退役予定であることが発表された。
923形ドクターイエローの編成
7両編成で博多側から1号車。
1号車:変電/電車線/信号/通信測定台・電気/施設測定機器
2号車:高圧室・電気関係測定機器
3号車:観測ドーム・電気倉庫・電力データ整理室
4号車:(軌道検測車)軌道検測室・施設データ整理室・施設倉庫
5号車:多目的試験・電源供給・観測ドーム・休憩室
6号車:ミーティングルーム・高圧室・電気関係測定機器
7号車:電気/施設測定機器