つい先日の、11/20発売のJTB時刻表、「超リニューアル号」と題して大きく変わったという触れ込みでしたので、これは実物をぜひとも見て見なければ!と思って早速購入してまいりました。
表紙は・・・年月の号表示がちょっと変わったのと、タイトルの赤い部分が上部中央に来たことくらいかな。まぁ、大事なのは中身ですよね。情報量が多くなるというよりも、情報が整理されて使いやすくなる、そんなリニューアルを期待して見てみました。
というのも、以前読んだ杉山淳一氏の鉄道トリビア「全国版時刻表の重さは1kg以下に制限されている」によりますと、時刻表は第三種郵便物扱いのため重さに制限があるということですが、新幹線の新規開業など、ページ数が増える要因になる事象は多く、1kgに限りなく近づいていたそうなのです。まさに、どうやってページ数(そして重量)を抑えるかが大きな課題になっていたのですね。
それでページ数をまず確認しました。お!最後の一枚の手前は960ページ。ちなみに12年前の4月号で1152ページで、レギュラーページとしては200ページ近く削減に成功しています。もっとも、付録ページなどもあり、ダイヤ改正時期であったりするので参考程度の比較ですが、さすがに200ページの差は大きいです。
そこで、見比べてみましたところ、まず気付くのが「ホテル案内のページがほぼ消滅している」ということ。これは実際的な方法だと思いますね。このご時世、時刻表巻末のホテルのリストから探す人が多いとは思えませんよね。ほとんどスマホで検索か、紙媒体が良ければるるぶなどでチェックするのではないでしょうか。というわけで、「JTB各支店のご案内」のコーナーがほぼ巻末となっています。
その一方で、ページ数別カウントで増えている部分が存在します。それは・・・
「きっぷ」のページ
きっぷのページと言えば、「あの、ピンク色のページでしょ」と思われる方が大半だと思います。でも、新しいJTB時刻表にはピンクも黄色も水色も、とにかく色紙ページが全くありません。もちろんカラー印刷のページは存在していますが。
それで、この「きっぷのページ」というのはお得な切符の特集が独立した形で新幹線の時刻表の前の部分、ニュース・特集ページの後の部分に設けられています。そして、その切符がどんなタイプの切符なのかが一目でわかるように、名称の右部分にアイコン化されていて大変見やすくなっています。
旅客列車が通る貨物線!
眺めているだけでも楽しいのが巻頭マップ。ただ、ちょっと不正確?な部分もあったのは事実です。
例えば、特急くろしお号を思い出してみてください。新大阪から貨物線を経由するため大阪駅を通らないのに、地図上で見るとどう見ても大阪駅を通らないでは行けないように見えてしまっていました。
そこで、今回ふちどりラインのような仕方で「旅客列車が通る貨物線」を記載して、より一層正確なマップとなりました。他の地方でも採用しています。
鶴見~東戸塚の間など、まるでワープするかのように描かれている部分がそれです。同様の区間がいくつかリストアップされています。
こんな取り組みによって、もしかしたら大阪駅で特急くろしおを待っていたちびっこ鉄道ファンが間違いに気付くことができる・・・かな。
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車両形式が記載されている!
まず、誤解の無いように先に言っておきますが、すべての列車の形式が紹介されているわけではないですよ。でも、湘南ライナーだとかおはようライナー新宿といった、複数の形式の車両が混在する列車愛称について形式が明記されているのはとても嬉しいことです。
もっとも、「言うまでもなく○○系だよね」という部類のものもありますが、今後にますます期待を持たせてくれるチャレンジだとは思います。そして、ムーンライトながらの様にいくつかの車両の変遷を経てきた列車に久しぶりに乗る人が、「ほぉ~、今は185系で走ってるのかぁ」などと気付くこともあるかも。そして、近々訪れるかもしれないさらなる車両変更を教えてくれることにもなるかと思いますね。
ちなみに、ひとつひとつの列車に形式が明示されているものもあれば、北海道の快速エアポートの様に欄外余白部分に全部まとめて「733系または721系」とざっくり書かれているものもありますので固定観念と過剰な期待はしないようにしましょう。
色つきページが消えたけど・・
先述の通り、ピンクや黄色のページ、水色の縁取りのページがなくなりました。これまで(私が知る限り)50年近く(もしかしたらもっと長く)続いてきた仕様をこうして変更したのですが、特に違和感はないですね。
というのも、ライトグレー、ダークグレー、縞々、斜めの縞々などを上手に組み合わせてページを見つけやすくする工夫が払われているからです。写真では、35ページからの新幹線ページとそれに続く99ページからの特急ページがライトグレーの縁取りになっていて、その後の東海道本線のページからは通常の自然色の紙面になっていることがお分かり頂けると思います。
そして、JR線営業案内以降がダークグレーでふちどりされる中、その中に含まれる「普通運賃表」の部分だけ縞々になっているのですぐに見つけることができます。
いずれにしても使いこなすカギは「馴れ」だと思いますね。個人的には今回のリニューアル、というか今後の方向性が示されたことに歓迎の気持ちが強いです。
東海道本線に急行が走る!?
最後にちょっとおまけですが、今回の時刻表に記載されている列車の中に「急行愛知☆静岡DCトレイン」という列車がありました。「急行」という種別そのものが風前の灯である中、JR東海は時々臨時列車で急行を設定していますね。今月号では他に急行ぬくもり飛騨路号があります。
それにしても、東海道本線。かつて特急・急行街道だったこの路線が今や普通列車と貨物列車の路線になった今、こうして急行が設定されて在りし日の思い出にふけることができることを感慨深く思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
下り列車の方を見ると「浜松~愛知御津」間のちょうど昼食時間帯の所要時間が異常に長いので、ここで何らかの演出がありそうな感じがしますね。(わかりませんが・・)
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ということで、これからもJTB時刻表の使いやすさを目指す姿勢に注目です!