本日、JR各社が夏の臨時列車情報を発表しました。
その中からひとつ見過ごせないトピックをご紹介します。
タイトルの通りですが「ライラック旭山動物園号」という列車が789系で運転されるというものです。
キハ183系初期型車両全廃へ
すでに公式に発表されている点ですが、車両老朽化の影響でキハ183系初期型車両は廃車計画が実行されており、いわゆるスラントノーズと呼ばれる先頭車両を持つ編成がほぼ対象となっているということです。(別途、白ボウズの100番代も形式消滅しましたね)
つまり、旭山動物園号としてこれまで活躍してきた車両もそれに含まれているというわけです。リニューアルからわずか3年ほどでしょうか、それでも経年劣化の波には勝てないのでしょうね。
そして、そもそもこの区間を走るのに気動車である必要性はなかったということも影響していると思われます。
789系電車とキハ183系気動車
●所要時間の比較
このたび、ライラック旭山動物園号として運転される列車は、これまでの旭山動物園号の札幌駅発車時刻と全く同じ設定で、普段は特急ライラック5号として運転されているものです。(上りはライラック38号と同じ)。
そこで単純に所要時間を比較してみますと14分の差(下り)が出ることがわかります。割合で言うと約14%短縮ということになります。ちなみに上りは15分差ですので合計するとほぼ30分の時間的余裕が生まれるということがわかります。
●車両運用効率とエネルギー効率
あらためて言うまでもないことですが、「特定の列車のための専用車両」という発想は運用効率が悪くなります。もっとも、配車面で余裕がある鉄道会社は「宣伝効果」という側面を考えてそういう方法をとるのも珍しくはありませんが、JR北海道の現状からすれば、まず効率を考える必要がある状況です。とりわけ気動車のやりくりの大変さには2017年3月改正まで、現場は戦場のような大変さだったと思われ、それを解消するために旭川発着の特急大雪・特急サロベツができました。
そして、現在では引退目前でありながら特急北斗の臨時運用に旭山動物園号車両が駆り出されている状況です。
そう考えますと、やはり「電車化できるところは電車化する」というのが今できる最善の解決策となりそうです。また、それは同時に無駄なエネルギー消費の削減にもつながります。
将来的な期待① ~旭山動物園号785系専用車両~
上に述べたことと真逆のようにも聞こえるかもしれませんが、専用車両がいつかは現れてほしいです。
特急スーパー白鳥仕様の789系がすべて転用改造を終えた時には、特急ライラック・特急カムイだけでなく、特急すずらんにも789系だけが使用されるようになり、785系の完全引退の声が聞かれるようになると思われます。
しかし、785系車両の中には登場からまだ15年の車両も含まれており、それらをメインにして改造を施し、先頭車両には延命工事を実施して1編成仕立て、旭山動物園号専用車両にできないだろうかと考えたりします。
あの愛嬌あるおたふく顔の車両にラッピングを施して走ると人気が出るんではないでしょうか。
将来的な期待② ~もっと近くまで運転~
実際に旭山動物園に行った経験があるかたならお分かりかもしれませんが、旭川駅から旭山動物園はバスで30分ほどかかります。つまり往復1時間です。
これがもし東旭川駅からなら片道11分、北日ノ出駅なら8分です。
わずかな区間ですがもしももしも電化できて直通運転できればかなり便利になり、あわよくば旭山動物園号を2往復運転できるのではないでしょうか。これまでの朝便に加えて、前泊ツアーというプランを旅行会社に販売してもらうこともできると思います。
無茶を承知でいろいろ書きましたが、願いは「JR北海道に元気になってもらいたい」ということです。とりあえずはライラック旭山動物園号に期待ですね。