【コラム】北陸新幹線救済とE4系(P編成)の延命について

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E4系 鉄道コラム

プロローグ

去る2019年10月に襲った台風19号は東日本を中心とした各地に大規模な被害をもたらした。とりわけ特徴的だったのが河川の決壊、または氾濫箇所の多さだった。被害にあわれた方々には心からお見舞い申し上げたい。

さて、ご存じの通りこうして発生した洪水により鉄道にもかなりの被害が発生した。

その中でも被害額の大きさがけた外れに大きく、まだ減価償却がほとんど終わっていないという面でも非常に大きな痛手となったのが北陸新幹線のE7・W7系である。前者が8編成96両、後者が2編成24両、合わせて120両が全損の可能性があるというのだから気が遠くなる。

もちろん、被害額の大きさもさることながら、利用者の需要にこたえなければならないという面でもJR両社は頭を悩ませていることだろう。

上越新幹線にちょっと待っていただいて・・・

JR東日本はこのE7系を北陸新幹線に加え、上越新幹線にも投入する計画でことを進めており、その活躍はすでに始まっている。2022年度末までには置き換えが完了するように計画され、2019年度中に5編成投入完了する予定だったようだが、それら上越新幹線用に配備される車両を北陸新幹線に5編成回して、既存のE4系を延命したうえで上越新幹線の運用を維持することになったようだ。

E4系現存編成の活かし方

E4系はというと、全部で26編成が活躍してきた。すべて「P」に番号が付いた編成記号となっており、P1~P22、P51、P52、P81、P82という構成である。

この中でP1~P10の10編成はすでに廃車されており、現在も残っているのは16編成ということになる。「これだけあれば十分では?」と感じるかもしれないが、E4系はすでに廃車の計画が予定に組まれていた車両であり、すべての編成が「最後の」全般検査を受け終わった状態となっていた。特にP15編成などは最後の全検からすでに3年が経過してしまった。言ってみればもう廃車を待つだけの身である。少し先に目をやると2020年前半で同じ状態を迎える編成がP16、P51、P17と続く。おそらく、今から1年後の時点でも全検を受けずに走れる状態なのは11編成くらいではないかと思われる。

ところで、一編成あたりの乗車定員について比較すると、E7系は924名ほどでE4系は817名。いくら2階建てとは言えども、8両編成で12両編成分の乗客はさばけないのだ。それでよく目にするのが2編成つないだ16編成である。そうするとE7系をはるかにしのぐ供給となるが、逆に編成数は半減して5.5編成になる。つまり北陸新幹線に回した分とほぼ一致することになる。

廃車になるP編成の存在価値

実は先日の10/26(土)に宮城県の新幹線総合車両センターにて車両基地祭りが行われたので足を運んでみた。そこで当然と言えば当然のことだが部品の保管場所にE4系のものはほぼなかったと思われる。つまり、廃車は確実に進むつもりで交換部品などはどんどん処分されていたのではないだろうか。

そこで大きな意味を持つのがP15~17、P51といった、近々廃車になるであろう編成。そうだ、部品取り用の解体が彼らを待つ運命といえる。これによって、延命の可能性を残してP編成を運用していくことができるのだ。もっとも、今後のE7系配備が予想以上にスムーズに進んだり、被災車両の一部が修理できたりすればE4系は次の全検を受けるまでには至らないかもしれないが、そこは必要に応じて融通することができるようになるということだろう。

気になるもう一つの存在「E2系」

E2上越新幹線にはもう一つ活躍している形式がある。E2系である。しかし、ざわついているE4系とは対照的にこちらはあまり話題に上ってはこない。

こちらも廃車が進められている形式であり、状況によっては延命もあるのだろうかと思ったりもしたが、意外と予定通りに進んでいくのかもしれない。

最後に

災害は本当に多くの犠牲をもたらしてしまう。その損失は計り知れない。その一方で需要にこたえようとする鉄道会社の真剣さには大きな情熱すら感じることがある。こうして様々なやりくりをして乗り越えてくださることに感謝と敬意を表しつつこのコラムを閉じようと思う。

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