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【1987年7月】天文気象部・竹野合宿~現地編~

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寝台特急出雲・DD51(1987) 鉄道旅行記

民宿に到着後、僕と吉田先輩は竹野の町内を自転車で徘徊した。
東町の方を走ってみると郵便局やお店などがあり、西町より栄えている。
白バラ牛乳という看板に、山陰の匂いを感じた。(たしか、鳥取県の会社)
白バラ スポリカというスポーツドリンクの安易なネーミングに親しみがわく。

そして再び橋を渡って西町へ。
橋の上から見た景色は、晴れた空と白い雲の下で川が輝いていて素敵だった。

のどかな竹野町

● 竹野・弁天浜の旅館で過ごすひととき

竹野・弁天浜の民宿ではみんなすっかりリラックスしていた。
それぞれに、爆睡する者、漫画を読む者、お菓子を・・・食うなよ!
まぁ好きなように夜までの時間を自由に過ごしていた。

そして食事の時間が来た。
さすがに地元の海の幸いっぱいの、新鮮で美味しい夕食。

ただ期待はずれだったことがたったひとつあった。
いや、夏なのだから本気で期待していたわけではない・・・。
ただ・・・・。
玄関前のところにあまりにも大きな看板が掲げられていたものだから。

そう、「カニの食べ放題」がなかったことだ・・・。
(期待するなよ!)

弁天浜の民宿で、美味しい食事を終えた僕たちは、みんなで風呂に入った。
(いや、一人だけ別風呂だった。)

その後、天文気象部というこの集団の本来の目的を果たすべく、
天体観測の場所を下見をしに歩いて出かけた。

条件は
まず、暗い所!!! これは絶対条件だ。

そして出来れば人通りが無さそうな所。
これも結構大事な条件となる。

時折あるのが、カメラのシャッターを開放にしたまま天体写真を撮るその時に、
「こんばんは~。なにしてるんですかぁ?」と懐中電灯を向けられるという惨事。
真っ白な写真がいっちょ上がり~となってしまう(泣)。
そんなことがないように、観測場所は十分選びたい。

そう考えると海水浴場側はダメだ。

「波の音を聞きながら天体観測ってロマンチックやわぁ」と久美子部員は言ったが、

灯台の光」とか「海水浴客の夜の楽しみ=花火」なんかがあると完全に致命的なので却下した。
逆に、ちょっとした山間の原っぱはないかと探してみたが思うように見つからない。

すると、S西先生が 「山にしたほうが良かったんとちゃう?」
と、根に持っている様子で言った・・・・。きびしい。
そうして歩いていると、ふとしたところに、ちょっとした空き地があった。

それはなんと!!! 踏み切りに近い空き地!!
思わず 「ここええやん!」 と、即決してしまった。

部員達には「ほんまに観測したいんは星とちゃうやろ!」と言われながら、
「何言うてんねん、いちおう部長やぞ」と、否定していた。

本当に、天体観測の時間に鉄分を味わうなんて考えてもいなかったから、
山陰本線の夜の列車ダイヤなどはほとんど頭になかったくらいだ。

というわけで、まず星を見て、列車は何が来るのかお楽しみ!

● 天文気象部・線路際の天体観測で大物撮り!

さぁ、観測開始!
やがて観測用の機材を整え、星を見るためにここに再び来た。

白鳥座、こと座、わし座、夏の大三角。
しっかり天体観測を行ない、写真も順調に撮っていった。

S西先生はさすがに撮りなれているようだ。(後日見せてもらった天の川は最高!)
続いて、いるか座、やぎ座、ペルセウス座・・・・・。そして赤い光!

そこで、踏切が鳴り始めた。思わず天体望遠鏡から手と目が離れた。
谷川部員も「おぉ~、何が来るんやろ。」と、わくわくして言う。

《ピーッ》

「あの音はDD51やろ・・・・・・来たっ!」

寝台特急出雲・DD51(1987)
いきなりの真打登場の瞬間だった。

天文気象部竹野合宿の第一夜、こんなに早く興奮がピークに。
もちろん何かの列車が来ると期待してはいたが、とにかくビックリした。

谷川部員も「うおぉ~、1発目から出雲が来るんかいな!」とか、
「24系やから、4号やな。」と、冷静と情熱の間の反応だった。
この時すでに金色の帯に変更された出雲4号は、白帯の2号との違いが一目瞭然。

ブルートレイン出雲4号東京行き金帯

比較的ゆったりと走っていたとはいえ、あっという間に駆け抜けてしまった。
天体観測に来て、「蒼い流れ星」に魅了されてしまった僕たちだった。
みんなが言ったとおり、違うものを観測しに来たと認めざるを得ない感じだ。

さて、ブルートレイン出雲特有の、赤いテールマークと赤い尾灯、
合わせて3つの赤い光が闇の中に消えた。

その時、突然部員の一人、川窪部員が言った。
「ここ、ホタルがおるで!」
「ほんまや、ほんまや!」 そう言ってみんな集まった。

天体観測第一日目の夜は「ホタルと流れ星」で幕を閉じた。
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