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【番外編】最短距離の寝台列車?~ナインドリーム甲子園号

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583系ナインドリーム甲子園号

ナインドリーム甲子園号

ナインドリーム甲子園号は、1991年の夏から1993年の夏にかけて、新大阪~甲子園口(16.7km)を結んで運転していた臨時寝台列車。甲子園球場で開催される選抜高校野球、全国高校野球の来場者に対するアクセス・宿泊施設提供の目的で設定していた。

一例として1992年では、新大阪22:10発、大阪22:15着で23:59まで客扱いし、停車したままドアを施錠し一夜を明かした。翌朝6時過ぎに大阪を発車して甲子園口6:45着、8:30まで停車したので車内で休むことが可能だった。

ナインドリーム甲子園号の時刻表

ナインドリーム甲子園号の時刻表(JTB時刻表1992-7より)

この列車が設定された背景は当時は甲子園球場周辺に大きなホテルがなかったのが大きな理由で、宿泊施設不足を補うためのものだったようだ。使用車両は583系寝台電車で、7両編成のうち1両は女性専用車両。乗車には、「ナインドリーム甲子園きっぷ」(大人3,500円・小人3,200円)という乗車券・寝台券を含めた専用のきっぷを購入する必要があったが、JR東日本のみどりの窓口は対応していなかったという。

ちなみに、「甲子園都ホテル」がすぐ近くに開業したのが1992年夏の甲子園開催後で、それ以降は需要の確認的に次の夏まで設定された後、役目を全うしたとして再び設定されることはなかった。583系には専用のヘッドマークが用意された。そして国鉄色の編成と急行きたぐに色(1次色)が使用されたようだ。

583系ナインドリーム甲子園号

583系ナインドリーム甲子園号(急行きたぐに色)

最短距離の寝台列車?

寝台列車でありながら、新大阪~甲子園口のわずか16.7kmという珍しいくらい短距離の列車だった。

では寝台列車として最短距離の列車だったのか?というと、実のところそうではなかった。1985年につくば万博が開催されたときに万博中央へのアクセスと宿泊を兼ねた寝台列車として「エキスポドリーム」号が土浦から運転されたのだが、その距離わずか9.2km。

さらにもう一つ、とんでもない寝台列車があった。佐賀県で11月の初めに行われる唐津くんちに合わせて1999年と2000年に唐津~西唐津で運転された「唐津くんちホテルトレイン」という列車があった。こちらはわずか2.2km。14系寝台車4両すべて、または24系寝台3両と14系座席車1両という編成でまさに寝台を中心にした列車で、発駅と着駅が存在した。というわけで私が知る限り、こちらが最短の走行距離記録だと思う。

参考情報として、「瀬戸大橋博’88・岡山」の際に「エキスポトレインわしゅう」という、同様の列車が設定されたが走行距離は27.8kmあり、意外と長い距離があったことがわかる。

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