急行シュプールニセコ号の簡単な解説
◆ 東北地方南部から函館本線(通称:山線)沿いのニセコエリアへのスキー客を輸送する目的で設定された急行シュプールニセコ号。B寝台のみ設定の夜行急行。そしてシュプール・シリーズ最北の列車でもあった。
1990年1月から1996年2月にかけての7シーズン活躍した。初年度のみ福島県の郡山~札幌だったが、翌年から最後まで期間の大半は仙台発着だった。青森までの主要駅に停車して乗客をひろいつつ渡道し、北海道では倶知安・小樽・札幌に停まる。なぜかニセコには停まらず、スキー客は倶知安の一択で扱うスタンスだった様だ。
車両が東京の尾久客車区の所属だったため300kmを超える回送運転が実施され、関東地方でもその姿を見ることが出来た。それだけでなく、黒磯以南ではEF65PF機が牽引するため機関車交換が黒磯駅で行われた。すでに客車の旅客列車もほとんどがEF81によるスルー運転が普通になっていた時期であり、昭和の名シーンがよみがえったようなひとときだったという。
本州内の牽引をしたED75にはJR東日本特製のヘッドマークが取り付けられたが、それ以外はついていなかったようだ。函館から小樽はDD51、小樽から札幌はDD51のプッシュプル、帰りの札幌から小樽はDD51先頭で最後尾にED76-500とのコンビでプッシュプル、小樽から函館はDD51。青函トンネル内はED79。
急行シュプールニセコ号のデータファイル
急行シュプールニセコ号の客車編成
・90/1/12~4/8 郡山~札幌 25形ハネ6連+電(尾久客車区)
・91/1/11~3/10 仙台~札幌 25形ハネ6連+電(4連の日あり)
・92/1/10~3/13 仙台~札幌 25形ハネ4連+電(5連の日あり)
・93/1/8~2/28 仙台~札幌 25形ハネ4連+電(5連の日あり)
・94/1/7~3/27 仙台~札幌 25形ハネ4連+電(5連の日あり)
・95/1/6~3/20 仙台~札幌 25形ハネ4連+電(5連の日あり)
・96/1/12~2/25 仙台~札幌 25形ハネ4連+電
※尾久客車区所属の客車であるため約350Kmにもわたる回送運転が行われた珍しい列車である。
急行シュプールニセコ号の牽引機関車(95~96年版)
・仙台~青森:ED75
・青森~函館:ED79(またはED76-551)
・函館~札幌:DD51
※先述の通り回送運転が行われた際、EF65-1000への交換が白昼の黒磯駅で行われるなど「目を引くシーン」があったことで知られている。
【時刻例】
下り:仙台19:28⇒ 倶知安6:59⇒ 小樽8:42⇒ 札幌9:54
上り:札幌18:17⇒ 小樽19:00⇒ 倶知安20:27⇒ 仙台8:13