早くも鉄分不足に・・・
札幌・豊平区美園を拠点にして過ごす日々。
自転車市内観光もそろそろやめにして、そろそろ鉄分を補給したくなってきた!
ということで、自転車を飛ばしてとりあえず札幌駅に向かってみた。
自転車は駅の近くに留めて(当時はそんなことができた)駆け足で改札へ。
駅員さんに北海道ワイド周遊券を見せてホームへと駆け込んだ。
自分の身ひとつで輪行袋がない状態の軽やかさ!
さて、こうしてホーム内に来てみたもののどっちに向かおうかな。
そうそう、まだ小樽方面へは行っていないんだった。時間があるうちに行こう。
小樽に向かう列車はあるかな? どれに乗ったらいいんだろう?
そんなことを思いながら道内時刻表を手に取ったところ、
すかさず構内放送が流れた。
◆ 江別ってどこだ?
「まもなく江別行きが発車しまーす」
えぇ~っと?江別ってどこだっけ?小樽方面かな?あまり記憶にない駅名だな。
というわけで、すぐ近くにいた人に尋ねた。
「あのぉ、すみません。この列車、小樽方向に行きますか?」
しかし、返事はというと、
「これは江別じゃ。」
「・・・・・」
ちょっと予想できた返事だったが、江別行きだということはは僕もわかっている。
ぼくは、江別が小樽方面なのかそうでないのか を知りたかったのだ。
全然期待はずれの返答にがっがりだが、なんとなくこの列車じゃないと判断。
乗車を見送ることにした。
列車が旭川方向に向かって進んでいくのを見ながら、
「乗らなくて良かった」と胸をなでおろした。
◆快調に飛ばすマリンライナー
江別行きに悩んだ僕だったが、何とか乗り間違えずに済んだ。
そして今度はしっかり時刻表で確認して小樽方面の列車を確認。
3787Mマリンライナー、「小樽行き」。 間違えようがない。
この列車に使われている711系車両、基本的には本州の近郊型電車と似ている。
でも、前面の貫通扉の上にある行先表示機の上に2つライトが並んでいて、
特徴的な、いかにも北海道!というルックスの車両だ。
さて、この列車は千歳空港発なので、大勢の人が乗った状態で入線してきた。
「うわぁ、この満員電車に乗るんかいな」と、覚悟した僕だったが、
札幌で降りる乗客が非常に多かったため、驚くほど簡単に座席を確保できた。
発車までは5分の時間があった。やはり札幌は中心駅だ。
やがて、列車のドアが閉まり、マリンライナーは小樽へとゆっくりと動き出した。
手稲まではまったく停まらず進んでいく。
快調に飛ばした末に17:02に手稲駅到着。
出発して間もなく、大きな車両基地「札幌運転所」が視界いっぱいに広がった。
キハ183系ほか気動車、長距離特急車両も夜行急行車両も旧型客車もいた。
そんな鉄分豊富な景色の中をぐんぐんスピードをあげながら走っていく。
ここから先はまたしばらく通過駅が続いていく。
自慢の動体視力を活かして、駅名標を読みきって楽しんだ。
確認できた駅名は「銭函」だった。
小学館コロタン文庫「国鉄駅名全百科」で見覚えがある駅名だ。
そんなことを思い出しながらふと窓の外を見るとようやく海が見えた。
そういえば、今まで忘れていたけどこの列車は「マリンライナー」だよなぁ。
海が見えないまま終わるわけにはいかないよな。と、一人で納得した。
この直後、水平線に沈む夕日を見ることができたが、
この前日までの雨とは対照的な爽やかな瞬間だった
ここまで手稲だけに停車し、快調に飛ばしてきたマリンライナーだったが、
久々の停車駅が近づいてきた。その駅とは小樽築港駅だ。
名前が示すとおり、ここまで来れば小樽駅はもう近い。(と言ってもあと7分だが)
この後、南小樽に停まり、マリンライナーの終点である小樽駅に着いた。
◆タッチ&ゴーな小樽駅
こうして到着した小樽駅は噂に聞いていた通りの素敵な駅舎だった。
小樽といえばイメージにまず浮かぶ、運河、ガス灯、倉庫群・・・。
でも、そこまで見て回ると帰りが遅く真っ暗になるのがわかっているので諦め、
小樽に来たことと小樽駅を見たことだけで満足することにした。
それにしてももう夕方だ、お腹がすいてきた。どうしようかな。
駅弁の「かにめし」は600円で学生にとっては高いし量も少ない。しかも夕方。
そこでKIOSKでかっぱえびせんと「WILSON」というスポーツドリンクを買った。
ここのかっぱえびせんは四角い箱に入っていた。初めて見るタイプだ。
さっそく箱を開けようかと思ったが、その前にもうひとつだけすることがあった。
北海道脱出日の北斗星号の寝台券のキャンセル確認だ。
ダメでもともと、みどりの窓口で尋ねた。案の定ダメだった。安定の撃沈。
それで箱入りの「かっぱえびせん」の箱をあけ、2本ずつくらいつまみながら
小樽駅の改札を抜けたが、ちょうどそこに快速マリンライナーがやってきた。
でも、今回は711系電車ではなくキハ40系の編成だった。
ちょっと昔風快速列車という感じだった。
小樽からの帰りの列車は満席のマリンライナー、キハ40系の長編成だった。
夏休み、そしてお盆休みなので旅行客がいっぱいなのも納得だ
◆ ディーゼル快速マリンライナー
そんな中、空いている席を探していた僕に、最高の座席が見つかった。
それはキハ40の連結面にある運転席。扉が開いていたのだ。
ここなら客室から隔離されていてプライバシーが確保。(何を求めているんだ・・・)
窓を開けても大声で歌を歌っても客室内の人たちには迷惑がかからないし、
何よりプチ運転士気分で最高だった。
(かっぱえびせんを食べてよそ見する運転士・・・・?)
実はそんな僕が何気なく足を置いたところにはなんと警笛ペダルが・・・。
「プワァァァーーーーン」
まさか自分が鳴らしてしまったなんて最初は気付きもしなかったが、
あまりにも大きな音が近くで響いたので、もしかして?と思い、
今踏んだばかりのペダルをもう一度、今度はほんのちょっと踏んでみた。
「プァン」
やっぱりそうだった。
そんなドキドキの時間を過ごし、窓からの風をいっぱいに浴びながら、
札幌に到着するまでのプチ運転士を楽しんだ。
マリンライナーはエンジン音を緩やかにしつつ札幌駅8番線にゆっくり到着した。
ドアが開いた直後、僕はそのまま駅そばスタンドへ。
やっぱり「かっぱえびせん」だけではお腹は満たされなかったのだ。
僕は迷わず、かけそばの大を頼んだ。麺が2玉分で330円とは安い。
(しかしお世辞にも栄養はない・・・・)
札幌駅ではほんのちょっと列車の撮影をして帰ることにした。
この日はフラノエクスプレスがANA企画のBIG SNEAKER号としてホームにたたずんでいた。