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フリーゲージトレイン(3代目)の簡単な解説
◆新幹線~在来線直通列車の一形態として研究が続けられているフリーゲージトレイン。山形新幹線や秋田新幹線のように線路幅を変えてしまう方式ではなく、在来線のいわゆる狭軌(1,067mm)のままの線路と新幹線の標準軌(1,475mm)の両線路を走れるように車両の方に特殊台車を装備する方式を採る。軌間変換装置によって車輪のロックを解除してガイドレールを通ると車輪が移動する仕組みで、左右の間隔を自動変換する。
JR九州の西九州新幹線や北陸新幹線から大阪への新在直通列車に採用する予定で研究が進められた。しかし2014年4月から2017年のテスト走行の結果が思わしくなかったことをうけて開発断念が発表された。
◆FGT試験中の不具合発生と運転再開
2014年4月20日からこの第3次試験車両による走行試験を始め、10月19日からは新幹線・軌間変換・在来線を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」を行ってきたという。
ところが、軌間変換を約400回、走行距離は約3万kmという試験途上の段階で台車を点検したところ、部分的欠損が生じる不具合が見つかったため、詳細な調査をするため、走行試験を見合わせた。
そして2016年12月3日から実際の営業線で改良台車による検証走行試験を再開することになったものの、2017年7月25日に九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の新鳥栖~武雄温泉間でのフリーゲージトレイン(FGT)方式を採用しないことを決定。またさらに、8月27日には北陸新幹線敦賀開業時に暫定的に採用することが検討されていたのも断念したことが明らかになった。
◆もうひとつ前のFGT
愛媛県伊予西条市にある四国鉄道文化館には役目を終えた2代目のフリーゲージトレインが屋外展示されている。前面形状が平面的だったり、カラーリングも寒色系だったりと、まったく似たところのない両車だが、同じ技術革新を目指した同志である。