トワイライトエクスプレス思い出箱 >電源車カニ24
大出力の電源エンジンを2基搭載!
・トワイライトエクスプレスの運行にはたくさんの電気が必要になります。列車そのものを動かすための動力は機関車単体でまかなったり、架線から供給されたりしていますが、列車内の電気はすべて電源車から供給されています。これってすごいことと思いませんか?
・食堂車では強力なオーブンその他調理器具がありますし、列車全体の空調設備や照明、シャワーなどの温水にも熱源が必要です。個室には電源コンセントがありますからその電気も供給しなければいけません。それを担っているのがこの車両、カニ24です。24系(25形を含む)寝台列車は多くがこのタイプと同形の100番代を使用し、一部がマヤ24形を改造したカヤ24形、さらに希少車種のカニ25形を使用していました。
・でもトワイライトエクスプレスの専用はカニ24形0番代に限られ、10、12~14の4両が専用色にされました。いずれも1975年末~1976年に製作された車両を後にトワイライトエクスプレスの専用車両化したもので、40年に達しようかという車両です。「これまでよく頑張ったね~」と褒めてあげたいような気持になります。それにしても、大出力のディーゼル機関と発電機の組み合わせは迫力ありますね!。
下り列車では機関車側になりますが、上り列車では最後尾になります。この車両には乗客は入れないので上り列車では去り行く線路上の景色を楽しむことができませんでした。それで後に登場したカシオペアでは電源車に展望スペースを設ける設計にしたのでしょう。
◆カニ24の「ニ」とは?
・ところでこの車両、発電だけの役割ではないんですよ。実はカニの「ニ」は荷物の「荷」を意味していて、荷物を積んでいます。昔のブルートレインでは「ブルートレイン便」という配送サービスがあったんですが、トワイライトエクスプレスでは実施していなかったんじゃないかと思います。
載せている荷物はいろいろありますが、写真に写っている「寝台車で使用するリネン類」はおそらく上り列車で使用する分だと思われます。上り列車では下り列車の使用済みのものを載せることでしょう。さらに、食堂車で使用する用具類などを置く場所もこの車両だそうです。
◆カニ24・車両詳細
・ディーゼル機関で動かしている発電機の出力は300kVA・3相440Vでそれが2基です。車両の最大長は18.5m、最大幅2.993m、最大高4.09mです。台車はTR66B形、コイルばねです。連結器はすべて密着自動連結器なので、客車同志の間が密着式であるカシオペア号よりは振動対策の点では少々劣ります。