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【1988年チケット編】行けるの?北海道・・・

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◆7月19日◆。
白鳥号の切符確保の奇蹟にわいた日から一夜明けた。
僕は引き続き大阪・旭区のばあちゃんの家に宿泊していたが、朝早く目ざめた。

今日こそこの鉄道旅行計画最大の正念場を迎える!
寝台特急北斗星2号にわずか8室しかないB寝台個室SOLOをなんとか取りたい。

そう強く願いながら、10時発売に十分間に合うように自転車で走り出した。
昨日と同じ景色、新大阪駅に向かって城東貨物線の赤川鉄橋を横目に走る。
そして9時40分、息を切らせながらも新大阪駅に着いた。

「よっしゃ~、一番に並ぶぞ!」と意気込んでみどりの窓口へと駆け寄る。
しかし僕はここで大きな過ちをしたことに気付く。

この窓口に一番に並ぶことなど決してできないのである。

なぜなら、このみどりの窓口に切符を購入しに来ている人の中には、
まもなく10時に発売開始の8月19日の指定券を買う人だけでなく、
当日券など、発売中の指定券を求めに来る人も少なくないからだ。

しかし、ボーっと過ごしてはいられない。とりあえず列に並んだ。

そして時間の駆け引きが微妙な中、9時55分・・56分と進んで順番が来てしまった。
仕方がないので後ろの人に順番を譲って時間をつぶすことにした。

でも、10時ちょうどに僕の順番がやってくることをひたすら願った。
僕は何度も時計に目をやる。・・・・しかし、時計は非情にも10時を回った。
《無言で》「早くしてくれよ~!」 と叫ぶ。

そんな願いがかろうじて届いたのか、10時01分に僕の番が来た。
焦りまるだしの早口で僕は言った。 「8月19日北斗星2号のB寝台個室1枚!」

すると、窓口の駅員が「無理と思うよ」とつぶやきながら、マルス端末を操作した。

「やっぱり満席やね。」

「じゃあ普通のB寝台でいいです。」

そういうと、さらに駅員はマルスを再び操作しながら言った。
「ちょっとねぇ、これも無理と思うよ。北斗星はどの便もすごい人気やからねぇ。
5分以内には満席になるのが毎朝のパターンなんですわ。・・・うん、ないわ。」

予約開始1分で売り切れ。 見事に玉砕した、いや、粉砕したのである。
個室SOLOどころか、開放式のB寝台でさえ取れないとは・・・。
同じ仕方で4号、6号も玉砕した。
想定外の厳しい事態に直面して、僕は計画を練り直すしかなかった。

ちなみに僕の北海道からの帰りの予定は、札幌から群馬県前橋にいる先輩の
家にうかがうため、ちょっと迂回するというものだった。

したがって、ベストコースとなるのは小山に行き、両毛線で前橋に行くルートだ。
北斗星の場合、宇都宮で下車して小山にいくことになる。

それを実行できる他の方法としては、青森発の寝台特急はくつるがある。
しかし、なんとその特急はくつる号の寝台券さえも取れなかったため、
常磐線経由の寝台特急ゆうづる号で一旦終点の上野駅まで行って、
また北上して前橋にいくという旅行計画に変更せざるを得なかった。

とりあえず、そのゆうづる号の切符だけは何とか確保出来た。

それにしても、玉砕!撃沈!を繰り返した7月19日であった。
この借りは乗車日までに返すぞ!

そう、キャンセル待ちで窓口に何度となく立ち寄る旅行が始まろうとしている。

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