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【1987年10月】北半九州修学旅行へ~前半~

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鉄道旅行記

さて4日目。長崎市内の自由行動の日だ。
センチュリーホテルのちょうど目の前には路面電車の線路があり、
低いモーター音で行き交う姿がつぎつぎと目に入る。
いきなりそれに乗っていく連中もいたが、僕たちはとりあえず徒歩で出発。

学校から指示されていたのは一つだけで「必ず平和公園に行くこと」。
それさえこなせば、そのあとは班ごとに好きな所に行けた。
僕たちは6人の班、鉄道ファンが2人、さだまさしファンが5人、無所属1人と、
趣味の重なる部分とそうでもない部分を抱えながら、
とにかくできるだけの希望を叶えようということになった。

それで確実に行く場所は、
●自由飛行館(さだまさしの店)、
●長崎駅、
●新地の中華街、あとは幾つかいわゆる名所を見ることに。

まずは最初に平和公園を制覇し、次に、戻って長崎駅を目指した。
僕にとっては初めて行く長崎駅なのだが、実は長崎は親父の故郷。

わが家にあった長崎駅の写真を思い出しながら、
長崎駅舎の形を脳裏に刻み、実際のその場所に向かっていった。
その姿は大きく立派な三角屋根の駅舎の姿だ。

でも、「長崎駅はもう随分前に建て変わったで」といとこが言っていた。
実は同級生にいとこがおり、彼も同じ修学旅行に来ているのだ。
(このことが後に大きなサプライズを呼ぶ)

話は長崎駅に戻るが、僕ともう一人の鉄道ファンである谷川君は、
今回の修学旅行中最大の興奮状態にあった。

例の三角屋根ではないものの、長崎駅になんとか到着し、
今まさに入場券を購入して改札口を入るところだからだ。
イメージと大きく異なる駅の姿も、それほどショックではなかった。
ながさき駅
長崎駅に到着し、改札口前に立つ僕たち6人だったが、
僕と谷川君を除くメンバー4人は歩き疲れてベンチでちょっと休憩。

僕たち2人は4人が「もうそろそろ行こうやぁ」と言い出すまでの時間を考えながら、
限られた時間を精一杯楽しむためホーム内を走り回った。

まず、最初のターゲット。長崎駅といえば!の、あいつに出会った。
それは485系200番代 L特急かもめ だ。

特急かもめ
まだバリバリ国鉄色の特急デザイン。8両のフル編成だ。
そしてよく映える青いヘッドマークが麗しい特急かもめ号。
博多に向けての出発を待つその姿は穏やかで堂々とした印象だった。

こうしてL特急かもめ を撮影したあと、目が向いたのはやはりブルートレインだ。
すでに到着して旅行者たちも姿を消し、車両もホームから引き上げてはいたが、
300ミリ望遠レンズを持っていっていたので写真を撮影することができた。

ブルートレインさくら
手前、(左側)の14系のフル・ホワイトライン編成はブルートレインさくら号。
その隣りには14系15形の、ブルートレインあかつきが休息中。

この当時は佐世保行きの編成があったため、ここにあったのは短い編成だ。
こうして、長崎ブルートレインも満喫できたことは嬉しかったが、これは望遠レンズ。
画像は思いのほか暗く、テールマークがよく見えない。
そのことだけは(帰宅後)残念に思った。

長崎駅の主役たちを見、ふと時計を見ると時刻はまだ11時。
次なる主役、ブルートレインみずほ号は12時過ぎに長崎駅に着くため、
その到着までずっと待つことはほぼ不可能だった。

僕たちは仕方なくあきらめて、他に目ぼしいものがないかと探し、
ちょっといいものを見つけては撮影していった。

タウンシャトル・客車

まず見つけたのはDE10型ディーゼル機関車だ。
先頭部分に何やら台形のヘッドマークがついている。
これはタウンシャトルというヘッドマークだった。
都会の鉄道ではちょっと考えられないことだが、
長崎近郊では電車だけでなく客車を使ったタウンシャトルが存在したのだ。

まあもしも当時の福知山線に「タウンシャトル」という呼び名をつければ
それに近い状態が有り得たのかもしれないが・・・。

タウンシャトル
次に興味を持ったのは、415系のいわゆる「普通」のタウンシャトルだ。
それでも、よ~く、じっくり見てみるとその背後にいるキハ35系の姿にも、
タウンシャトルと書かれたヘッドマークがあった・・・。

とりあえず都会育ちの僕たちの常識を覆す「タウンシャトル」たち。
そんな、なんでもありのタウンシャトル見学を終えた僕と谷川君は、
他の4人がベンチに座って待つ改札前に向かった。

鉄道ファンにとっては、ちょっと短い時間ではあったが、
それなりに長崎駅を満喫し、この駅のいいところを楽しめた。
やはり日本有数の観光都市の駅であり、多様な列車が来る駅でもある、
そして何より、旅情誘う終端駅。この雰囲気がたまらない。

この、行き先表示が一方向しかない終端駅の雰囲気が・・・。
まるで地の果てにでも来たような。この先は外国だよとでも言うような・・・。

さて、僕と谷川君は改札口の前で待っているみんなの所に戻った。
ありがたいことに、まだみんなも苛立ちを感じ始めてはいなかったようで
安心して長崎駅を後にした。

ここから僕たちの班が向かう先は「さだまさし のお店、自由飛行館」。

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