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寝台特急サンライズ出雲号◆データファイル

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サンライズ出雲のマーク

◆寝台特急サンライズ出雲号の車内

【ノビノビ座席】

サンライズ出雲(瀬戸も)には寝台席だけでなくカーペット敷きの座席指定エリアがある。あくまでも「指定席」の扱いなので、寝られる設備であるにもかかわらず、いわば”寝台”の料金がわずか520円!特急料金と合わせても「東京~出雲市間3960円」という格安旅行が可能な、ありがたい車両である。ノビノビ座席

 

ノビノビ座席階段の裏側上下2段構造になっていて、通路沿いに上段への簡易な階段が設けられている。下段の人から見て邪魔な存在になるだろうか?とも思ったのだが、足元のほんの一角が削られるだけで、ほとんど気になるようなものではなかった。

通路との仕切りとなるカーテンは存在する。しかし、隣りの区画との仕切りが非常に簡易なもので、頭の部分以外は仕切りが「ない」と理解しておく必要がある。つまり、女性の一人旅など(ある程度プライバシーを保てることをお望みなら)にはあまりお勧めしないということだ。

 

このエリアのもう一つの注意点は頭上部分に空調の吹き出し口があること。全開にしておくとのどを痛めてしまう危険があるのでよく考えて操作したい。その隣にある読書灯は非常に便利であることも書き添えておこう。あと、各区画にプラコップが一つずつ置かれていて、エリア利用者が使えるようになっている。必ずしも必要なものとは言えないが、「あって良かった」と思う人もいることだろう。

【A寝台・シングルデラックス】

シングルDX・サンライズ

サンライズ車両のハイエンド・ルームはシングルデラックス(A寝台)で寝台料金は13350円。ベッドの幅も十分で寝心地よく、流れる車窓を見るのに視界が広くて快適だ。窓は屋根のほうに回り込むように曲面ガラスが採用されているので素晴らしい解放感を感じられる。そして壁面にある特大ミラーの効果で、見かけ上ではあるがお部屋がとても広く見える。

また、ウッディーな内装の温かな雰囲気に包まれながらちょっとした書類整理をしたりする事務用途にも、くつろいで過ごすにも必要十分の部屋である。簡易な洗面台があるのでこの部屋の中だけで一晩過ごすという使い方も十分可能だ。

A寝台のみのアメニティーグッズ

なお、寝台幅が85cmあることから、小さな子供との添い寝にも使えるだけの余裕を感じる。家族旅行をするのであればこの部屋とシングル(B寝台)またはノビノビ座席を組み合わせて活用するのもひとつの有力な方法だろう。

またアメニティーグッズも必要十分な印象だ。これを手に入れたくてシングルデラックスをとる人もいるとか。シャワールームもB寝台利用者の設備とは別なので込み合う心配がなく、安心して自分のペースで乗車時間内でプランニングできる。

このアメニティーグッズ、ぜひB寝台利用者にも販売してもらいたいものである。というのも、せっかくシャワーの設備があってもタオルを忘れてきたら利用できないということも少なからずあるのだ。鉄道グッズとしての意味合いも考えられるので1000円くらいで販売すると収益アップにもつながると思うのだが。

【B寝台・シングル】

平屋・シングルから通路を見る

車両の中央を貫く通路が上下に設けられ、その通路の両側に個室が並んでいる。寝台料金7350円のシングルだ。

この車両の両端、台車の上にあたる部分は部屋のつくりこそ違いはないが「平屋建て」になっているので「シングル」だけで3タイプが存在することになる。つまり、平屋・二階・一階である。部屋番号の割り振りは、1階が2~10まで、二階が20番代、平屋が11~14および1であるが、一部はシングルでなくシングルツインになっている。

床面積から考えると国鉄時代のプルマン式A寝台に近い。もっとも、個室になった分「靴を脱ぐスペース」などが個室内に必要であり、ベッドの幅はB寝台基準通り最大70cmとなっている。

シングルのドア付近。キャリーケース。

 

ドア付近は寝台の幅が少し絞られており、それによって小型のキャリーケースなども室内に置くことができる。画像に映っているキャリーケースのサイズは幅41×厚さ24×高さ66(いずれもcm)。海外旅行にでも出るのでなければ一般的なサイズなのではないだろうか。

セキュリティーはシングルデラックスと同様のテンキ―で4ケタ入力方式なので安心だ。

 

こげ茶色のモケットが壁面に見えているが、そこは座るときには背もたれになる。そして、枕側となる。窓の際には空調のスイッチ、時計、BGMの操作盤などがある。NHK-FMを視聴することができる。

写真に写っている部屋は1階部屋のため、窓の上のほうより下に下がるにつれて幅が絞られている。

 

足元側にはミニテーブルがあり、シンプルだが快適で居住性の高い部屋だ。窓の左側に映っているのはスピーカー、その手前にプラコップ、さらに手前の壁面には姿見の鏡が設置されている。

そしてこの角度では写らない裏側の部分に、コンセントが設けられている。これによってスマートホン、タブレット端末などの充電が、寝ている間にできるのだから大変重宝する。浴衣とともに、ブランケットがあるので寝る時も快適だ。

この列車の中ではもっとも部屋数が多く、チケットを取りやすいのだが、実用面から考えても一人旅には一番おすすめしたい部屋といえるだろう。

【B寝台・シングルツイン】

荷物が多い人向けならこの部屋!と思うのがシングルツイン。はっきり言って、一人で使うのは贅沢だと思うほど「満たされたB寝台」だ。寝台料金は9170円だ。

というのも、ひとつの部屋に2段のベッドがありながら、基本的には一人用個室という設定なのだ。一人で使用する場合には上段ベッドを荷物置き場として使用することができ、その必要がないなら上段ベッドを跳ね上げてたたむこともできる。上段にある転落防止ひもを見て国鉄っぽさの名残を感じるのは私だけだろうか。上段のカーテンは電動スイッチで開閉可能なのでその点も心配無用。

寝台特急トワイライトエクスプレスにも同様の設備があったが、同列車がはしごでの昇降だったのに対してこちらは階段式となっている点が大きな違いだ。この階段は本当によく考えられた造りになっており、棚としての機能も兼ねたものである。結構な奥行きもあるので棚として十分に使えそうだ。

角度を変えて見たシングルツインはこんな感じ。列車全体として2人使用の寝台が少ないため、上段補助ベッドを使用しての2名利用の人も多い。その際にはベッド使用料として5250円が追加となる。下段ベッドはマット部が3つに分かれていて、中央のマットを取り外して左右どちらかの背もたれにし、ソファーのようにして使うこともできる。再びトワイライトエクスプレスとの比較になるが、同列車では4分割で左右に背もたれ付きのソファーができる造りになっていた。しかし、走行距離(サンライズ出雲全行程)が3分の2ということ、走行時間に至っては半分強だということを考えるとこの設備で十分だろう。

こちらもセキュリティーはシングルDXと同様のテンキ―で4ケタ入力方式となっている。

補足情報だが、2号車と9号車にそれぞれ1室ずつ、車いす利用者を想定した平屋タイプのシングルツインがある。部屋番号は1番。手すり、車いす折り畳みスペースなどが設けられている。

【B寝台・サンライズツイン(2人用個室)】

シングルデラックスがある4・11号車の、1階部分にあたるのが2人用のサンライズツイン。4部屋ずつしかなく、しかも禁煙室・喫煙室それぞれ2室ずつということで、いずれかを指定した場合、かなり高い競争率になるのがこの部屋だ。1室14700円ということで、一人あたり7350円の計算になる。したがって、金額的にはシングルと同じ計算になる。
ベッドの向きは線路と並行。通路から階段を下りて左右に扉、それぞれ部屋がある。印象としては、扉を開けると中央の細いスペースがあるほかはすべてベッドという感じだ。

二つのベッドのうち、通路から遠い側が窓側、通路に近い側にはキャリーケースを置けるだけのスペースがある。正確な数値を計測してはいないが、目測で横幅75、高さ45cmくらいありそうだ。ちょうど通路の下に当たる部分だ。

寝台幅が70cmと細いのでカップルでの利用が基本ではあるが、本当に小さなお子様との添い寝なら可能なので家族旅行にも使えるかもしれない。

【B寝台・ソロ(一人用個室)】

3・10号車に設けられているB寝台・一人用個室「ソロ」。7両中1車両のみ、20室設けられている。すべて禁煙となっていて、寝台料金は6300円である。

ブルトレ時代にもあった名称の設備だが、ブルトレのソロにもあった数々の出っ張りが特徴的な、懐かしさと窮屈さが入り混じる車両(部屋)だ。写真の通り下段の場合、手前のほうこそ70cmの幅だが奥の狭い部分は56cm。上段への階段のための出っ張りが思った以上に圧迫感をもたらす。

この辺りは通路の幅を犠牲にでもしない限り解決しないので、これがいわゆる落としどころだったのだろう。上段への階段を見るとこうなっている。確かにこれ以上幅を狭くするわけにはいかないと感じる。

では上・下のどちらを選ぶのがベターだろうか。
正直言ってどちらとも言いにくい。個人的には1000円プラスしてシングルを選ぶと言いたいが、それでは答えにならないので参考までに次の点を述べたい。

 

ノビノビ座席の項目でも述べたが、7両で1セットのこの編成のうち、動力を持つ2両のうちの一つがこの車両なので、いくらかの振動・騒音を感じるかもしれない。気になるようであれば上段を選択するとよいだろう。そして、荷物を置くスペースがやや広めにある(天井奥)ので、荷物を整理しておきたい方はこの上段が良いように思う。

 

一方で、上段の窓が局面で不自然な景色映りになりやすいのに対し、下段の窓はきれいな平面になっている。つまり、車窓を十分に楽しんで旅をしたいという方にとっては下段の方が快適で、乗り物酔いなども起きにくいかと思われる。

この「ソロ」の狭さを強調したような紹介をしてしまったが、じつはこの同じ車両の端にはゆったりと車窓を眺められるフリースペースがある。それが次に紹介する「ラウンジ」だ。
だ。

【3号車・ラウンジ】

いつも思うことだが、こういうくつろいだ旅行ができる設備は長距離バスには真似できないものだ。

音がするものを食べることもスマートホンの光を発することもやたらと気を遣う夜行の長距離バスに対し、夜行列車旅ではある程度自由に歩き回ったり、ちょっと座って車窓を眺めたり、そばにある自販機でソフトドリンクを購入してここで飲んだり・・・。用意のいい人は発車前にKIOSKやコンビニでビールやチューハイを調達しておいてここで飲むという人もいる。

全部で8つの椅子が設置されたパブリックスペース。すぐ隣りにあるシャワー室の空きをここで待つことも可能だ。シンプルでクールな空間、テレビの雑音などもないので静かに流れる車窓を何も考えずに眺めるのもいいだろう。

 

【シャワールーム】

同じく3・10号車にシャワールームがある。走行中は多少の揺れがあるので、いつでも手すりにつかまる心づもりをしておきたい。

シャワーのお湯が出る時間は6分間。とはいえ、ストップボタンを押せば止めることができてその時間はカウントされないので、6分という時間は意外なほど十分だと感じた。

個人的に家族旅行で利用した際、自分と子どもたち2人をこなすことができたのはとても意外だった。

脱衣室は広くはないがドライヤー、鏡など、最低限必要なものは備わっている。利用したい人はシャワーカード販売機で購入できる。

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さぁ、夜行列車の旅、あなたも出かけてみては?

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