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札幌発・東京の一日を充実させる列車~寝台新幹線編~

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鉄道コラム

前回は首都圏で過ごせる一日の時間を長くするため「始発の北海道新幹線」につなぐ夜行列車のことを書きました。「山線経由」の快速ニセコ改め快速ミッドナイト。 ⇒記事「急行はまなすから快速ミッドナイト・・・

この案は結構現実的だと思いますが、実は現行ダイヤのまま始発がはやぶさ10号6:35発ですと、東京到着が11:04と言うことで、午前の遅い時間になってしまうという問題が残ってしまいます。そこでもっと東京の一日を長く過ごすためにできることが!

新函館北斗~東京の寝台新幹線!

・寝台特急の新幹線という夢はこれまでにも何度となく語られてきましたが、今一度真剣に想像してみたいのです。ここでは0時から6時まで新幹線は走行できないはずだというご指摘は受け付けておりません。あくまでもそのハードルを越えての話です。

E4系普通指定席の車内幅

E4系普通指定席の車内幅

利用者のニーズを考えると「居住性」の観点から大容量の車体をもつ車両を改造!ということで、E4系を想定したいと思います。この選択は「JR北海道」主体ではなく「JR東日本」主体で行なう計画の方が現実味があるということが前提ですし、後に述べるもう一つの点にもプラスになります。

この車両の大まかな寸法ですが、普通指定席の場合、3列シートが1505mm、2列シートが1040mm、そして通路幅が575mm。窓枠から窓枠まで3210mmとなっています。やっぱり在来線の寝台特急よりスペースに余裕のある設定が出来そうですね。元々2階建て構造の車両なので、1階・2階とも個室寝台とすれば高い居住性でゆったり休みながら移動できること、しかも新幹線のロングレールで揺れも少なく眠りやすいと評判になるかもしれません。

さて、寝台を設置する「向き」には、枕木方向進行方向の2通りありますが、枕木方向の場合2100mmの長さをとっても通路幅を900mm以上とれそうですからブルートレイン(600mmありません)よりもはるかに広く快適な通路、そして室内になります。

進行方向に個室寝台をレイアウトする・・・

窓割に沿って均等に部屋設定したら・・・

図1・窓割に沿って均等に部屋設定したら・・

進行方向の寸法も考えてみましょう。
E4系車両をボディーの大きな改造なしに使うとしたら「窓の幅+片側の枠幅」で、およそ1960mm。寝台の設置はやはり窓枠が公平にならないといけないので、線路と平行に寝台を設置するにはギリギリな感じですね。ブルートレインの寝台も1900mmとか1950mmといったレベルなので不可能ではないですが、図1の様にそのまますべての寝台を水平に設置していくといくらか窮屈な印象を受けるかもしれません。女性専用車両としてなら問題ないかもしれませんが。

それで、もしこの向きでレイアウトするとしたら、隣り合う寝台に段差をつけることで違和感のない程度に立体的に重なる配置にするといいかもしれません。どんな感じかと言いますと・・・

立体的に重なる部分を作った場合

図2・立体的に重なる部分を作った場合

図2では、「個室寝台1」の方を45cm高くして、2つの部屋それぞれの壁面をずらすような作りになっています。個室寝台1の部屋の階段下が無駄なスペースに思えるかもしれませんが、この部分に毛布・リネン類・浴衣・アイマスクなどを入れておくスペースとし、それらの一部を別料金のオプション・アイテムとするのです。そうすることで、基本料金を低く押さえて「安く乗れる寝台列車」として印象付けることができると思うのです。

あるいは「かゆいところに手が届く車内販売グッズ」を置くスペースにしてもいいかもしれません。一例ですが、私が以前夜行バスに乗った時、スマホ充電用にUSBの差込口がついていたのです。とても便利だなぁと思ったわけですが、それでも当然ながら充電用のUSBケーブルを持っていなければ何の役にも立ちません。それで、そういうグッズを販売すると結構な本数売れると思うわけです。他には・・・のど飴とか、絆創膏とかそういう類のものは他にもいろいろ思いつくものだと思います。そして、いずれも「車掌の切符拝見の時のみの販売」または「車掌室で購入」として人件費を新たにかけないことも必要でしょう。

寝台新幹線の運行ダイヤについて

最初にも述べましたように、「夜間は新幹線を走らせることができない」を前提にしたら話が進みませんので、そこは少々無視します。とは言っても、最低限必要と思えることは考慮に入れていきたいと思います。それは以下のような点です。

青函トンネルは保守点検のため夜間走行しない。
(下り最終はやぶさ33号と同様23時過ぎまでには抜ける)

過密ダイヤとなる東京~大宮間は余裕ある時間帯に。
(午前7時より前に東京到着)

他の高速設定の列車の妨げとならないよう配慮。

こうして条件を当てはめ、連絡列車の時刻なども加味したところ、現行のはやて100号のダイヤを踏襲して次のようになりました。座席車両も設けることによって「はやて100号利用者の受け皿にもなる」と考えてもいいかと。

新函館北斗 21:59発(21:39着の特急北斗からの乗客待ち後)

木古内 22:12

奥津軽今別 22:50

新青森 23:05着 23:10発

八戸 23:50
ここからは深夜時間帯なので速度を大いに落とします。

仙台(運転停車2:30~2:45)

大宮 6:15

上野 6:35

東京 6:41

さて、いかがでしょうか。東京での一日がものすごく有効に活用できそうじゃありませんか?

E4系P81・P82編成って知ってます?

この大容量が活かされる時が来るか

この大容量が活かされる時が来るか

ところで、このE4系を選択したことにはもう一つの意味があります。実はこの車両の中に特殊な構造を持つP81・P82編成という編成があるんですが、これらは60Hz対応車両といって、北陸新幹線にも入線できる構造なんです。MAXあさまとして走ったことがあるようです。

ただ、基本設計は50Hz仕様なので金沢まで行けるほどの対応力では無いようなのですが、それでも仮に上記の時刻設定で大宮駅で分岐して長野駅まででも行けるように設定すれば、長野駅で乗り換えて金沢駅に9時半ごろに着くことさえ可能になるのです。

日本海縦貫線の寝台特急がなくなってしまった今、かなり大回りとはいえそういうルートが存在するだけでも意味があるような気がします。

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